※安孫子宏輔さんのCandy Boy卒業に伴い、“安孫子宏輔(Candy Boy)の「あびこ菓子」”を再編集して公開しております。
安孫子宏輔さんのスイーツ連載「あびこ菓子」。 今回のテーマは「エクレア」。シュークリームではなく敢えてエクレアを推す安孫子さんのこだわりとは?
第5回 安孫子さんとエクレア
――今回は「エクレア」がテーマですが、シュークリームではなくエクレアなんですね。
単純にエクレアが好きなんですよ。
シュークリームも勿論おいしいので好きなんですが、エクレアは口に入れたときのバランスが良いですよね。
シュークリームの場合、ほぼクリームとかほぼ皮のときがありますけど、エクレアはクリームの量や味わいを作り手が調整できるじゃないですか。
食べ進めていっても常においしいと感じられる理由はそこにあるのかなって。
――計算し尽くされている感じですか?
そうですね。
シュークリームと比べてこだわりが出しやすいのかなと思います。
上にフォンダンがのっているだけで食べ合わせや組み合わせが広がるんだろうな。単純に組み合わせが一つ増えるじゃないですか。クリームとシュー生地だけじゃなくて、フォンダンとクリームの相性とか。
だからエクレアが好きなのかなと、今回改めて考えました。
――バリエーションも無限に増やせますね。
パッと見ただけでもこれだけ違いますからね。
エクレアは名前の由来もおもしろいですよね。
――イナズマ以外にもあるんですか?
エクレール(éclair/フランス語発音)は フランス語でイナズマっていう意味なんですよね。
イナズマと付けた由来は、シュー生地を焼いたときの割れ方がイナズマに見えるというのと、この棒状の形がイナズマそのものに見えるという。
このかわいい見た目でイナズマですよ。連想できないですよね。
あと、イナズマがピカッと光るがごとくおいしすぎて早く食べちゃう、一瞬で無くなっちゃうというという説もあって、素敵ですよね(笑)。
フランスの人がイナズマ、イナズマって言っていると思うとおもしろいですよね。
――今はいろいろな種類がありますが、お好きなのはどのタイプですか?
チョコレートとカスタードの組み合わせのものが圧倒的に食べ馴染みがあるので好きですね。基本的にカスタードクリームが好きというのもありますが。
季節限定のイチゴとか マンゴーとかフルーツ系のものもおいしそうですよね。
僕の完全な偏見なんですけど、エクレア好きな人って絶対にこだわりが強い人が多いと思うんですよ。
だって「シュークリームでいいじゃん」ってなるじゃないですか。
僕は何をするにしても凝り性というか、こだわりがすごく強いタイプなんです。
エクレア好きだけど、シュークリームじゃない。
勿論シュークリームもいいんだよ。わかってる、好きだよ!
でもエクレアがベストなんだよっていう(笑)。
これ、ちょっと統計をとりたいですね。日本でエクレア好きな人。きっとこだわりが強いと思う。
――今回ケーキ屋さんを何軒かまわりましたけど、意外と売っているお店がなくて探すのを苦労しました。エクレアを販売しているお店はやはりこだわって出してるってことですよね。
フランスだと専門店がわりとあるらしいんです。
日本ではエクレアを探すのって難しい。シュークリーム専門店は「ビアードパパ」とかありますけど、エクレア専門店もほしいな。
――ちなみにシュー皮はどのようなものが好きですか?
わりと香ばしさが残っていたほうが好みかな。
――パリッとしたやつですか?
そうですね。でも、気の抜けたようなフニャッとしているのも好きなんです。
シュークリームだとフニャフニャだなって思いますけど、エクレアだとフォンダンがパリッとしてくれているのでそこまで気にならない(笑)。
――エクレアに対して優しいですね。
エクレアはやっぱ好きだから甘くなっちゃいますね。
――エクレアのおいしいお店、知りたいですね。
そうですね、情報待ってます! 皆さんの一押しのエクレア店を教えてください。
「ここのシュークリームが好き」とか「ここのケーキが好き」とかはあるけど、「ここのエクレアが好き」をまだ見つけてない感じ。
エクレア好きってもっといないのかな。エクレア仲間が欲しい。
「そうだよね、シュークリーム じゃないんだよね 」っていう話で盛り上がりたい。
立ち上がれエクレア好き!
――ありがとうございました。
※安孫子宏輔さんは2022年12月31日をもって、Candy Boyを卒業しております。
撮影:曽我美芽