※安孫子宏輔さんのCandy Boy卒業に伴い、“安孫子宏輔(Candy Boy)の「あびこ菓子」”を再編集して公開しております。
安孫子宏輔さんのスイーツ連載「あびこ菓子」。今回のテーマはケーキの代名詞といっても過言ではない、イチゴのショートケーキについておしゃべりしました。
第20回 安孫子さんとイチゴのショートケーキ
――ケーキといえば、やっぱりイチゴのショートケーキですよね。
日本人がケーキと言って最初に思い浮かべるのは、絶対ショートケーキですよね。
お祝い事とか、嬉しいこととセットな感じがしますし、やっぱりテンションが上がるケーキですよね。
――ショートケーキといえは、「イチゴ、いつ食べるか問題」がありますけれど。
議論し尽くされたであろう問題ですよね。
僕は先端から食べていって、イチゴに差し掛かったら、そのタイミングで食べます。
わざわざよけたりはしないですね。
……え、邪道ですか?
――マネージャーさんは?
マネ 私は取っておいて、一番最後に食べますね。
――同じです。
えー!
――最後に口の中をさっぱりさせたい気持ちもあり……。
なるほど! 確かにそれはわかる。
基本的に最後においしい味で終わりたい派なので、お弁当で好きなおかずは最後に食べるんですけれど、ショートケーキに関しては、取っておいたりはしないですね。
崩してしまいそうだし。
――先に食べる人は見かけたことがないですよね。
確かに。
最初に食べるか、最後に食べるかという質問で聞かれることもありますけれど、先に食べると答えた人は見たことがないかもしれない。
――最後に食べようとよけていたら、兄弟やお父さんに食べられた思い出がありますね。
王道パターンです。古き良き日本の文化ですね(笑)。
――そういえば、イチゴのショートケーキの間のフルーツがイチゴじゃないこともありますよね。最近は少数派かもしれませんけど。
ありますね。
ちょっと許せなかったですよね(笑)。
僕、小さい頃はももの缶詰が苦手だったんです。たまにいるんですよね、ショートケーキの中に。
――いますね。
そんなときは「あっ、いたよ。あーあ」って思っていました(笑)。
イチゴのショートケーキの中身はイチゴであってほしい。
――近頃はメロンやシャインマスカットを使った、高級ショートケーキも増えましたよね。
あの形だけれど、メインのフルーツが違うというやつですよね。
でも、ショートケーキといえばやっぱりイチゴがセットのイメージがありますよね。
甘いイチゴも、ショートケーキになると主に酸味として感じるから、間に食べるといいリフレッシュになる。
でも、見た目的にもイチゴがベストなんでしょうね。
白に赤が映える感じ。
あれが黄色とかだとそんなに華やかじゃないし。日本人は好きですからね、紅白が。
――他にショートケーキの思い出ってありますか?
小学校のときに、クリスマス給食で出ました。
切り分けられたものが箱に入っていて。
学校でケーキが食べられるという特殊なシチュエーションに興奮していたと思います(笑)。
ワクワクしましたね。
そうだ!
イチゴのショートケーキは、ろうそくがさしやすいんですよ。
僕、お祝いするのが好きなので、今までいろんなケーキを用意してきたんですけれど、年を重ねてくるとだいたい洒落たのを選び出すじゃないですか。
でも、ショートケーキに勝るさしやすさはないですね。ろうそくがきれいに見えるもの。
――イチゴショートはそんな良さもあったんですね。そういえば、イチゴを嫌いな人はあまり見たことがないかもしれません。
イチゴってみんなが当然喜ぶものっていうイメージがありますよね。
だからイチゴのショートケーキは、みんなが好きなものの最大公約数に感じますよね。
あと、ショートケーキの歴史について勉強したことがあったんですけれど、最初が売れなかったらしいんですよね、日持ちがしなくて。
ブームがきたのが冷蔵庫の発達に合わせて。
冷蔵のショーケースが開発されたのに合わせて売れたと。やっぱり時代に合ったというか、技術の進歩のたびにスイーツが生まれてくるんだなと。
でも、こんなにブームになって定着したものもないんじゃないですか?
――ショートケーキって、そこまで進化したというイメージはないかもしれませんね。一番進化したなと思ったのが「飲むショートケーキ」かもしれません。
確かに。
いまだに進化を模索し続けているスイーツがある中で、「これだ!」って一発で正解にたどり着いたスイーツじゃないですか。
強いな。
――これからもずっと1位ですよね。
ケーキの絵文字っていったら、絶対にショートケーキですよね。
これからもケーキといえばショートケーキの時代は続くのだと思います。とって代わるものが想像できないですね。
――確かに、終わる気配がないですね。
長いですよね、イチゴのショートケーキ政権は(笑)。
だってもう50年、60年ですからね。
すごい。
――そうなりたいですね。
王道! 絶対になくならない、売れ続ける……憧れます!
――ありがとうございます。
撮影|伊藤 駿
※安孫子宏輔さんは2022年12月31日をもって、Candy Boyを卒業しております。