スイーツコンシェルジュがレポート! 2023年バレンタインデー・チョコレート催事

2023年のバレンタインデーも終わり、各地で開催されたチョコレート催事も幕を閉じました。新型コロナの沈静化により百貨店にも客足が戻り賑わいを見せた今年。スイーツコンシェルジュが2023年のバレンタインデー・チョコレート催事をレポートします。 


レフティさんのレポート!
「サロン・デュ・ショコラ 2023」伊勢丹新宿店

新宿伊勢丹で開催されていたサロンデュショコラ2023に行ってきました。こちらのイベントはスケジュール的にカカオをテーマにした「part1 teste of cacao~広がる、楽しむ、カカオの世界~」と「part2 the artisans~最高峰ショコラティエの技~」に分かれて開催されましたが、私はカカオそのものの素材に興味があるので、前者の方です。

このpart1はここ数年毎年行っていますが、出展者やその商品の大半は毎回同じ景色ですが、そんな中でも今回は以下の3つの発見がありました。

①SDGsを意識した取り組み
基本的なトレンドはBean to Barですが、そこからフェアートレードやカカオ農家の貧困からの救済という方向に進み、さらにここ数年生物多様性を保護するところまで活動を行っている企業が多くなってきたようです。下記③のシーベジタブルカンパニーや今回初出店のブラジルのミッションチョコレートなど、その活動を前面に出している企業が増加しているように思います。

②海外からの出展者の来日
コロナ禍からの規制の緩和によって日本への渡航が可能となり、普段海外で活動されているパティシエや代表の方が来日し、商品等の説明を行っていました。イタリアのドモーリのジャンルーカ フランゾーニ氏、エクアドルのノベル・ベルテの高橋力榮氏や、ミルトスの高橋賢次氏などからカカオの生産現場での生の情報を色々と聞けたのは非常に勉強になりました。


1つ衝撃だったことがあり、エクアドルにフォラステロ種ナシオナルという品種がありますが、これは通常アリバ種と呼ばれるカカオで、甘い花の香りがしてエクアドルにしか生息しなく世界でも2%位しか流通しない希少価値の高いカカオがあります。現地では今、その貴重価値の高いアリバ種の木を伐採し、世界で大半のシュアを占めるフォラステロ種CCN50に植え替えられている農場が出てきているということ。説明された出展者の方が「自国の宝物を捨てている」と嘆いていましたが、害虫や病気に強く比較的安定的に大量生産が可能で収入が得られやすい品種に変えてしまう、これが現地のカカオ農家の現状なのかもしれません。

③海藻とカカオのマリアージュ
今回もイートインを提供される出展者があり、コロナ禍からの緩和により前年よりも多くなった印象?があります。その中でも私が食したのはこちらです。


シーベジタブル カンパニーのすじ青のりのチョコレートケーキ(1枚目の写真、2枚目の写真は構成)
海藻とカカオのマリアージュなんて全く想像もつかなかったですが、スイーツと海藻との組み合わせは、奥が深そうで色々と可能性があるかもしれません。
この会社は海藻が減少する海の生態系の研究、育成を行い、新たな海藻の食文化にも取り組んでいます。まさに上記のSDGsに取り組んでいる企業といえると思います。

以上が私がサロンデュショコラ2023で発見した気づきです。

また、来年も新たな発見を期待したいです。

(執筆:レフティ)


きなこさんのレポート! 
近鉄百貨店あべのハルカス近鉄本店『VALENTINE CHOCOLAT COLLECTION』

近鉄百貨店の今年のテーマは「LIVE・LINK・LOVE」で、さまざまな角度からチョコレートを楽しめるイベントがいろいろと考えられていました。昨年のバレンタインと比較すると今年のテーマの一つである“LIVE”という点では会場内だからこそ楽しめるイートインスペースやチョコレートの試食が増えたように思いました。イートインスペースも新型コロナ対策としてテーブルの数を増やしたりパーティションで区切ったりテーブルにはアルコールやウエットティッシュを設置したり等、しっかり対策をしていました。

催事会場の雰囲気としては、新型コロナ流行前の賑わいが戻りつつあると思いました。やはり女性の方が多く、お友達と一緒に来場したり、カップルでチョコレートを選んだりする姿も見受けられました。勿論、一人で見て回られる方もいらっしゃって、ある種そのあたりはまだコロナ禍のバレンタインだなと思う部分もありました。購買動向としては、女性の方が男性の方へのプレゼントとして買われるのは勿論のこと、私を含め自分へのご褒美としていろいろなお店のチョコレートを食べ比べで買われる方々が多いように思いました。

展開商品の傾向という面からみると、近年の流行りであるピスタチオを使用したチョコレートの商品は多いなと思いました。ナッツ類とチョコレートの組み合わせも安定のおいしさなのでバレンタインの新定番として定着しそうです。今回、近鉄百貨店あべのハルカス近鉄本店では初登場の『PISTA & TOKYO』さんのピスタチオサンドはピスタチオ専門店ということもあり濃厚なピスタチオの味でおいしかったです。紅茶やほうじ茶を入れたチョコレートも増えてきているようにも思いました。

また、同店限定で1月18日~31日の期間に日替わりでスペシャルなパフェを食べれるブースがありました。こちらはカウンター席になっていたりパーティションで区切られたりしていて、感染防止対策を考慮しつつ一人でも気軽に入りやすかったです。日替わりなのでパフェによっては整理券や限定個数があり、夕方までに完売していることもありました。私は1月22日~24日限定で提供されていた『19時(イクジ)のGohoubi』の「苺とショコラのGohoubiパフェ」を食べました。こちらは、濃厚チョコレートソフトに北海道産の生クリームや国産の苺を使用しており、今しか食べることが出来ないバレンタイン限定パフェでおいしかったです。

今年のバレンタインは新型コロナ流行前のような盛り上がりがあり、お菓子業界もより明るくなりつつあるなと思いました。

(執筆:きなこ)


エミチュウさんのレポート!
新宿高島屋 バレンタイン2023「アムール・デュ・ショコラ」

新宿高島屋で開催されていた「アムール・デュ・ショコラ」に行ってきました。

①催事の様子
会場内には、消毒液が数か所に設置され、感染対策がしっかりと行われている印象を受けました。11階の展示場は、多くの方で賑わっており、様々なチョコレートスイーツが展示されていました。また、会場内のパンフレットには、多数のチョコレートスイーツの写真が掲載されており、見応えがありました。このような様子から、チョコレート好きにはたまらないイベントだと感じました。

②コートジボワールのカカオ農業とSDGs
コートジボワールのカカオ農業は、SDGsと深く関わりがあります。貧困削減とカカオ生産者による学校建設計画が17つの目標のうちの1番“貧困をなくそう”と4番“質の高い教育をみんなに”の2つの目標に繋がっていると言えます。国(コートジボアール)全体とカカオ農家の現状を知ってもらう為に(コートジボワール産のカカオを使用した)チョコレートスイーツを提供していると考えます。

③オススメのチョコレートスイーツ
『カカオサンパカ』の“世界のカカオコレクション16個入り”と“カカオの旅9ヶ国コレクション”は世界各国のチョコレートの味を楽しむことができます。特におすすめなのはコートジボアールのチョコレートでカカオの苦みと甘みを感じることができます。農家の方々が苦労して生産しているカカオに対する感謝の気持ちを忘れずに、これからも商品を楽しんでいきたいと思います。

(執筆:エミチュウ)