[佐藤ひと美のスイーツレポート332]西武池袋本店、美食の殿堂へ。デパ地下の常識を覆す新スイーツフロアは「世界最高峰」が集結していた!

2025年9月17日、西武池袋本店が待望のリニューアルオープンを迎え、地下食品フロアが新たな美食の殿堂へと生まれ変わりました。

この記念すべきオープニングに先駆け、特別に開催された内覧会へ訪問。

約180ショップからなる日本最大級のデパ地下「デパチカ」の復活に胸を躍らせながら、その全貌を徹底的に取材してきました。

今回のリニューアルで最も注目すべきは、地下1階のスイーツ&ギフトフロア

単なる品揃えの拡充にとどまらず、国内外のトップブランドが奇跡的な共演を果たし、まさに「食の美術館」と呼ぶにふさわしい空間が誕生していました。

奇跡の共演!世界のトップブランドが池袋に集結

今回のリニューアルの最大の魅力は、日本初出店や百貨店初出店だけでなく、世界的に有名なメゾンが多数集結している点にあります。

それぞれのブランドが持つ哲学や、西武池袋店限定の特別な商品に注目してみました。

【LENÔTRE ルノートル】約16年ぶりの凱旋!伝説のクロワッサンが復活

フランス・パリ最高峰のメゾンのひとつ、LENÔTRE<ルノートル>が、かつて日本で初めて店舗を構えたこの地に、約16年ぶりに復活しました。

創業者ガストン・ルノートルの信念を受け継ぎながら、常に革新を続ける彼らの真髄がここにあります。

特に注目したいのは、西武池袋店限定で1日100個限定販売される「ミニ・クロワッサン・オ・キャラメル・ノワゼット」。濃厚なキャラメルとヘーゼルナッツのクランブル、そしてヘーゼルナッツのプラリネを忍ばせた贅沢な一品です。

さらに、かつて人気を博した「ダックワーズ」も「ダックワーズ・ノワ」として現代のエッセンスを加え、ブラッシュアップして登場。

長年のファンも、初めての方も、その歴史と進化を味わうことができます。

【PIERRE MARCOLINI  ピエール マルコリーニ】生ケーキを強化した新業態

ベルギー王室御用達のショコラティエ「ピエール マルコリーニ」も、既存店とは異なる新業態で出店。

デパ地下ならではのニーズに応え、生ケーキのラインナップを大幅に強化しています。

西武池袋店限定の「ガトー クール フリュイ ドゥ ラ パッション」は、その独創的な構成が光る一品。アーモンド生地とザクザクしたフィアンティーヌ ショコラのベースの上に、ガナッシュヴァニーユとパッションフルーツのコンポートを重ね、全体をホワイトチョコレートムースで優しく包んでいます。ムースのふんわりとした口どけと、ベースのザクザク食感のコントラストが絶妙で、パッションフルーツの甘酸っぱさとホワイトチョコレートの奥深い味わいが織りなすマリアージュを堪能できます。

この他、季節限定の「モンブラン クレメ」や「ヴェリーヌ カカオ & レザン」など、旬の素材とこだわりのクーベルチュールが融合した、マルコリーニの世界観を存分に楽しめるケーキが並びます。

【BENOIT NIHANT ブノワ・ニアン】ブランド初の百貨店常設店が放つ、珠玉の限定モンブラン 

元エンジニアという異色の経歴を持つ、ベルギー出身のカカオ職人「ブノワ・ニアン」が、ブランド初の百貨店常設店をオープン。

カカオのテロワールを表現することにこだわり、単一農園・単一品種のカカオ豆からチョコレートを一貫して製造する「Bean to Bar」の先駆者です。 

特に注目すべきは、西武池袋店限定で販売される2種類のモンブラン。 

「ペルー産カカオのモンブラン」は、自社農園で栽培された希少なカカオを使用。花やプラム、チェリーを思わせるフルーティーな香りのチョコレートクリームの中に、生クリームとガナッシュが隠されています。サクサクとしたタルト生地との食感のコントラストも楽しく、カカオの個性を最大限に引き出した一品です。 

一方、「熊本県産栗のモンブラン」は、栗の優しい甘さとチョコレートのコクが調和した上質な味わい。中には栗が丸ごと一粒と、グアテマラ産カカオのガナッシュが忍ばせてあり、栗の風味がチョコレートによってさらに引き立てられています。

これこそ、ブノワ・ニアンの真骨頂と言えるでしょう。

【PIERRE HERMÉ PARIS  ピエール・エルメ・パリ】 「パティスリー界のピカソ」が描く芸術作品

「パティスリー界のピカソ」と称されるピエール・エルメ氏のブランドが、西武池袋本店に新たな店舗を構えました。彼らが目指すのは『味覚・感性・歓喜の世界』。

その哲学は、色鮮やかなマカロンや繊細なプティガトー、チョコレート、焼き菓子など、あらゆるアイテムに宿っています。 今回のリニューアルオープンを記念して、西武池袋限定パティスリー「アンディヴィ クール イスパハン」が登場。人気の「イスパハン」を象徴するバラ、ライチ、フランボワーズの組み合わせが、特別なひとときを演出。

色鮮やかなマカロンや、繊細なプティガトーは、まさに芸術品。パリのエスプリを感じられる空間で、至高の時間を過ごすことができます。

【Sébastien Bouillet  セバスチャン・ブイエ】遊び心あふれるリヨンからの使者

 フランス・リヨンのパティシエ兼ショコラティエ「セバスチャン・ブイエ」もリニューアルオープン。

彼のスイーツは、遊び心とアートセンスに溢れています。

中でも特に目を引くのが、愛らしいクマ型のフィナンシェ「コフレヌヌース」。プレーン、ショコラに加え、西武池袋本店限定のピスタチオフレーバーが加わった特別なアソートが登場しました。

バターの香ばしいフィナンシェに、濃厚なピスタチオの風味が加わり、まさに絶妙なハーモニーを奏でます。

見た目の可愛らしさだけでなく、確かな美味しさが詰まっているので、手土産としても喜ばれること間違いなしです。

関東初上陸や新ブランドも続々登場

長年スイーツファンを魅了してきた実力派ブランドの出店も見逃せません。

【chez Shibata シェ・シバタ】待望の関東初出店

東海地方を拠点に、海外にも店舗を展開するパティスリー「シェ・シバタ」が、ついに待望の関東初出店を果たしました。

代表作「エクレール オ ブールサレ」は、フランスのAOPバターとゲランドの塩を使ったキャラメルが、絶妙なバランスで口の中に広がります。

さらに、西武池袋店限定の「グラン クリュ バニーユ」は、自家製バニラパウダーとローストヘーゼルナッツがアクセントになった、シェフのこだわりが詰まった一品です。

【CARAMEL TOKYO WARAKUBENIYA】辻口博啓氏がキャラメルに特化した新ブランドを初出店 

パティシエ辻口博啓氏が手掛ける和スイーツ専門店「和楽紅屋」から、キャラメルに特化した新ブランド「CARAMEL TOKYO WARAKUBENIYA」が誕生し、百貨店に初出店しました。

なぜ、キャラメルに特化した新ブランドなのか。それは、辻口氏がフランス修行時代に感銘を受けたスイスの伝統菓子「エンガディナー」に着想を得て、長年試行錯誤を重ねてきた集大成だからです。

このブランドでは、伝統的なキャラメルの製法をベースに、珠洲の塩、黒糖、抹茶など、厳選した日本各地の素材を融合。慌ただしい日々の中で、ゆっくりと時間をかけて作られるキャラメルのように、心の余白を楽しむ時間を提供したいという願いが込められています。

特に注目すべきは、ブランドのシグネチャースイーツ「ROND CARAMEL(ロンキャラメル)」。

キャラメルの常識を覆す、驚くほどやわらかな食感を実現するために寒天を使用している点がユニークです。

焦がし加減を丁寧に調整したキャラメルに、珠洲の塩や抹茶といった和の素材を融合させることで、奥深く繊細な味わいを生み出しています。

「毎日来たくなる」デパ地下の魅力

今回のリニューアルのキーワードは、まさに「毎日来たくなるデパチカ」。単に店舗数を増やすだけでなく、消費者目線に立った工夫が随所に凝らされています。

【たねや】関東初!オープン台でおすすめ和菓子を提供 

1997年の出店以来、長く池袋の地で愛されてきた「たねや」が装いも新たにリニューアルオープン。

店舗正面に関東で初となるオープン台を設け、四季折々のお菓子をはじめ、歳時菓子などその時一番のおすすめ商品を陳列。

店舗正面に関東で初となるオープン台を設け、歳時記やおすすすめの和菓子を陳列しています。

中でも、リニューアルを記念して限定販売される「蒸しどら 福白金時」は必食。

ふんわりと蒸しあげた小豆皮入りの生地に、福白金時餡を合わせた一品で、福白金時ならではのすっきりとした甘みとふくよかな味わいが楽しめます。

【ベルアメール】 

日本の風土に合わせたショコラ作りを大切にする「ベルアメール」もリニューアルオープン。日本の四季を感じさせる繊細な味わいのスイーツが並びます。

焼きたてフィナンシェも注目です!

その他、「足立音衛門」(栗のフィナンシェ)や「鶴屋よし信」(大福)など、多くのショップがフロア内厨房で焼き立てや出来立てのスイーツを提供。

出来立ての美味しさをその場で楽しめる贅沢は、デパ地下ならではの体験です。

  

なぜこれほど魅力的な店舗が集まったのか?

なぜ西武池袋本店にこれほどまでに魅力的な店舗が集まったのでしょうか。それは、池袋という立地が持つポテンシャルの高さにあります。

交通利便性:JR、東武、西武、東京メトロなど、複数の路線が乗り入れるターミナル駅である池袋は、都心はもちろん、埼玉方面からも多くの人が行き交う一大拠点です。

多様な客層:近隣住民やオフィスワーカー、そして観光客など、幅広い層のニーズに応える必要があります。今回のリニューアルは、まさにその多様な食のニーズに応えるべく、和洋中エスニックの惣菜や、豊富な種類の弁当「BENTOステーション」を新設するなど、徹底した顧客目線で考えられているのがわかります。

スイーツフロアも例外ではありません。既存の高級ショコラブランドに加え、話題の焼きたてスイーツ店や、新しいコンセプトの専門店を積極的に導入することで、スイーツのトレンドに敏感な層を惹きつけると同時に、日常的なおやつ需要にも応えようという強い意思が感じられます。

西武池袋本店は、単なる「デパ地下」ではなく、多様な食文化が交錯する「食のエンターテイメント空間」として、新たなステージへ進化を遂げたと言えるでしょう。

池袋に訪れる際は、ぜひこの魅力あふれる「デパチカ」に立ち寄ってみてください。

新しいスイーツとの出会いや、発見をしてみてくださいね!