
2026年10月9日(金)、東京・恵比寿の「BLUE NOTE PLACE」にて、EUと日本の食材の“パーフェクト・マッチ!”プロモーションを展開する欧州連合(EU)主催によるメディア・食品業界関係者限定イベント「ヨーロッパと日本のペアリングの美学―感性が響き合う|パティスリー&ミクソロジーのライブデモンストレーション」が開催されました。

本イベントは、EUが日本市場向けに展開する食品・飲料プロモーション「The Perfect Match(パーフェクトマッチ)」(※)キャンペーンの一環として実施されたものです。

※「The Perfect Match」キャンペーンについて
「The Perfect Match」はEUのプロモーションキャンペーンであり、日本の消費者および食品業界関係者を対象に、EU産食品・飲料の特徴である品質・本物・安全性・持続可能性を紹介することを目的としています。試食会、イベント、セミナー、SNSなどを通じて、EUの食品・飲料が日本の食文化や食卓と自然に調和することをお伝えします。 また、職人技、本物志向、高い生産基準といった共通の価値観を示すことで、新たな食の 組み合わせの創出を促し、日本におけるEU食品の持つ魅力に対する認知向上を目指しています。

会場では、EUが誇る厳格な品質保証制度であるPDO(原産地呼称保護)やPGI(地理的表示保護)、そして日本の有機JASと同等基準として相互保護されるオーガニック認証「ユーロリーフ」の仕組みが解説され、日EU経済連携協定(EPA)に基づく品質、本物であること、安全性、そして持続可能性(サステナビリティ)の重要性が提示されました。

そのハイライトとなったのが、日本を代表するパティシエ・鎧塚俊彦氏と、気鋭のミクソロジスト・滝井薫氏による日欧食材のライブデモンストレーション。

今回は、会場で披露された鎧塚シェフによる至高の3品(テイスティング・スイーツ)を中心に、その製菓構築論とペアリングの真価をスイーツライターの視点から紐解いていきます。
■ 1. デモンストレーション『ゴルゴンゾーラ&山椒シュー』
〜伝統のシグネチャーを和スパイスで再構築する「甘くないパティスリー」の極致〜

鎧塚シェフが創業以来大切にされてきた「ゴルゴンゾーラのパティスリー」。ワインとの親和性を徹底追求してきたシグネチャーの思想に、日本の伝統スパイス「山椒」を掛け合わせた挑戦的な一曲です。

シュー生地とナッツのテクスチャー構築
フランス産の「シャラント・ポワトゥ・バター(AOP)」や「ゲランドの塩(PGI)」、米粉を配合した香ばしいシュー生地をしっかりと焼成。中にはローストしたスペイン産アーモンドと、イタリア産PDOパルミジャーノ・レッジャーノを117℃まで煮詰めた糖衣でキャラメリゼした香ばしいアクセントを忍ばせています。

青カビチーズの旨味と和山椒のアロマ
芳醇でピリッとした塩気を持つイタリア産PDOゴルゴンゾーラと、デンマーク産クリームチーズを滑らかに乳化させた特製クリームを絞り、和歌山県産の「紀奥 粉末山椒」を少量あしらっています。
パリパリ食感のチュイルの余韻
仕上げに薄く広げて焼成したイタリア産PDOパルミジャーノ・レッジャーノのチュイルを添え、チーズ特有の熟成した香ばしさと繊細な食感のコントラストを付与しています。

ゴルゴンゾーラの濃厚でクリーミーなコクに対し、山椒のピリッとした刺激が見事に調和しています。滝井ミクソロジストのカクテル『Vodka of Finland with Mt. Fuji fig leaf』との相性も抜群で、甘くないパティスリーとお酒のペアリングにおける新しい可能性を感じさせてくれました。

■ 2. 『湘南ゴールド・ガトーカマンベール』
〜白カビチーズの芳醇な乳脂肪と、神奈川県産柑橘が醸す酸味のコントラスト〜

2品目は、フランス産PDOカマンベール・ド・ノルマンディーを贅沢に使用し、鎧塚シェフの地元でもある神奈川県生まれの希少柑橘「湘南ゴールド」を合わせたガトーです。
カマンベールのコクとイタリア産レモン果汁のキリリとした輪郭
白カビチーズの代表格であるPDOカマンベール・ド・ノルマンディーのまろやかな乳脂肪分とフレッシュチーズ(イタリア産)をベースに、イタリア産のオーガニックレモン果汁(ユーロリーフ認証)で味わいの輪郭をシャープに引き締めています。

湘南ゴールドピューレの果実感
トップには神奈川県産湘南ゴールドのピューレを仕込んだみずみずしいソースをあしらい、ポルトガル産蜂蜜の優しい甘みがチーズ特有の発酵香と爽やかに共鳴しています。

このガトーには、ハンガリー産の甘口貴腐ワイン「トカイ(PDO)」がペアリングとして提供されました。トカイワインの濃厚な蜜の甘みと極上の酸味が、カマンベールの旨味と湘南ゴールドの果実香を優しく包み込み、引き立ててくれます。
■ 3. 『信州クルミとアプリコット シュトーレン』
〜EU産オーガニックバターと有機マジパンがもたらす、しっとりとした保水性と日本の実り〜

3品目は、EU産の高品質な乳製品とドイツ伝統の製法、そして日本の実りを融合させた贅沢なシュトーレンです。

ユーロリーフ認証オーガニックバターと有機マジパンの贅沢な生地
ベルギー産のオーガニックバター(ユーロリーフ認証)とドイツ産の有機マジパンを贅沢に仕込んだ生地が、シュトーレン特有のパサつきを感じさせない吸い付くような潤いと、滑らかな口どけ(高含水感)を実現させています。
ギリシャ産レーズンと長野県産果実のアンサンブル
コニャック(フランス産PGI)やオランダ産のピーチリキュール、アプリコットリキュール、エストニア産蜂蜜に浸けたギリシャ産レーズンに、長野県産の信州くるみと信州あんず、瀬戸内レモンピールを加えることで、噛むごとにスパイスと果実の酸味、ナッツのコクが心地よく弾けます。

合わせられたのは、ポルトガル産の芳醇な「ポートワイン(PDO)」です。熟成されたコニャックやドライフルーツの風味、そして信州くるみの香ばしい油分が、ポートワインの重厚な余韻とみごとなハーモニーを奏でていました。
■ 滝井ミクソロジストのカクテル『Vodka of Finland with Mt. Fuji fig leaf』
デモンストレーションで『ゴルゴンゾーラ&山椒シュー』とともに提供されたペアリングカクテルも素晴らしい仕上がりでした。

ベースには、フィンランド産ウォッカ(GI認証)を使用。富士山麓産のイチジクの葉を冷凍庫で4日間じっくりと漬け込むことで、ココナッツや青いクルミを思わせるボタニカルなアロマを抽出しています。

フランス産ソーヴィニヨン・ブラン果汁や未熟ぶどう果汁(ヴェルジュ)、国産ぶどう酢「あさきゆめみし ゑひもせす」を合わせ、ソーダで割ることで、爽快な泡がチーズの濃厚な脂分を優しく流し、爽やかな余韻を生み出していました。

■ 厳格な品質保証(GI・有機)が解き放つパティシエの創造性
今回のイベントを通じて感じたのは、「PDO/PGIやユーロリーフといった厳格な認証制度に裏打ちされた本物の食材(EU産品)があるからこそ、職人はブレることなく自らの感性を解き放つことができる」という事実です。

ゴルゴンゾーラやカマンベール、パルミジャーノ・レッジャーノといった確かなテロワールを持つEU食材と、山椒、湘南ゴールド、信州くるみといった日本の豊かな恵み。
日欧の食材と伝統技術が互いの価値を高め合う「The Perfect Match」のライブデモンストレーションは、これからの洋菓子界におけるデセールや手土産スイーツ、そしてペアリングの新たなる可能性を力強く示してくれました。

本イベントで提示された伝統と革新の融合は、単なる一過性のコラボレーションにとどまらず、日欧の食文化がこれから目指すべき「持続可能で本物志向の未来」への確かな一歩と言えます。確かな背景と品質を持つ素材が織りなす極上のハーモニーを、ぜひ今後の洋菓子選びやペアリングの参考にしてはいかがでしょうか。

イベント名:ヨーロッパと日本のペアリングの美学―感性が響き合う|パティスリー&ミクソロジーのライブデモンストレーション
主催: 欧州連合(EU)
登壇者: 鎧塚俊彦氏(パティシエ)、滝井薫氏(ミクソロジスト)、駐日欧州連合(EU)代表部代表
「The Perfect Match」キャンペーン公式サイト:https://perfect-match-japan.eu/