[佐藤ひと美のスイーツレポート91]「持続可能な未来を創造する」 チョコレート業界を代表する各社が、チョコレートを通じたサステナブル宣言!

最近、飲食業界やファッション業界などで頻繁に目にするようになった”サステナブル”という言葉。

”持続可能な~”という意味を持っており、すべての人と地球環境を保持しつつ、持続可能な産業や開発、そして自然環境に配慮することで、より良い状態を守りながら未来へと受け継いでいくことができる。そんな社会を目指す動きが注目されています。

そんな中、スイス・チューリッヒに本拠をおき、高品質カカオと最高級チョコレートを取り扱う、カカオ豆から最終製品のチョコレートに至るまで一貫した生産を行う世界最大手業務用チョコレートメーカー「Barry Callebaut(バリーカレボー)」グループが、日本市場で持続可能なチョコレートが標準となるよう、日本のチョコレート・菓子メーカー、シェフ、小売店が団結した「サステナブルチョコレートの未来~菓子業界の今後~オンライン記者発表会」が開催されました。

2025 年までにサステナブルなチョコレートを標準に。 チョコレート業界を代表する各社がサステナブル宣言! 

−−−オンライン記者発表会 登壇企業各社の取り組みについて−−−

<森永製菓株式会社

ダボス会議、オーストラリアの山火事など世界中で環境の問題が報道される中、チョコレートを製造する企業として事業を通してどう取組むべきかを検討していました。

そのような時にバリーカレボージャパン様から「食べる人も、作る人も、そして地球にも優しい」というココアホライズンを紹介いただき、今秋より環境に配慮されたカカオ原料(ココアホライズン 認証カカオ)を使用することとしました。

加えて当社が 2008年から継続している「1チョコ for1スマイル」の取組を強化することで、お客様に チョコレートの選択肢の一つとして「サステナブル」という考え方を知っていただこうと考えています。 

○ 1チョコ for1スマイル:http://1choco-1smile.jp

サステナブルなチョコレートを使用した商品

小枝<ミルク> (9月下旬より順次切替)…おなじみのチョコとパフ・ナッツのコンビネーションの味わいと食感を楽しむことができる枝の形をしたチョコレート。ココアホライズン認証カカオや環境に配慮した材料を使用。 

小枝<メープル> (9月23日より発売)…おなじみ小枝<ミルク>の姉妹品。『ココアホライズン』認証カカオや環境に配慮した材料を使用、地球にもやさしく、木の優しさを感じていただけるホワイトチョコベースのメープル味が新発売されます。

森永チョコレート <マイルドミルク> (9月23日より発売)…持続可能なカカオ栽培に貢献するため『ココアホライズン』認証カカオを使用。お客様、カカオ生産者と共に地球にやさしく、持続可能なチョコレートをお届けします。シェアしやすいイーチピロー入り。 

<有楽製菓株式会社

有楽製菓は『夢のある安くておいしいお菓子を創造する企業を目指します』の経営理念のもと、世界の子どもたちを笑顔にするために児童労働撤廃に取り組みます。

2025年までの目標として「自社商品に使用するすべ てのカカオ原料について、児童労働撤廃に取り組んでいる原料へ変更」を掲げております。

児童労働撤廃に向けた取り組みは原料変更だけに留まらず継続的に幅広く活動を行います。

有楽製菓は数ある課題に真摯に向き合い、世界中の子どもたちが笑顔で生活できる持続可能な社会を目指すためにできることから1つずつ活動を進めていきます。 

○ スマイルカカオ: https://www.yurakuseika.co.jp/shfc/

サステナブルなチョコレートを使用した商品

ブラックサンダーブラックサンダーミニバーブラックサンダーミニバー カカオ 72%(9月7日よりリニューアル発売)…ブラックサンダーは、30円の安価さ・小腹を満たすボリューム感・ザクザク食感が特徴のロングセラーチョコバー。ザクザク食感に、ココアホライズン認証のチョコレートを使用。ビターに仕上げた味わいが楽しめるカカオ72%もミニバーサイズで大好評。 

<株式会社ファミリーマート>

ファミリーマートは、地域社会を家族のように考えることを基本理念とし、持続可能な社会の実現に貢献したいと考えています。

2019年12月に、5つの重要課題(マテリアリティ)を再設定し、環境対応の中長期目標「ファミマ eco ビジョン 2050」を推進しています。

また、地域活性化拠点としての役割を果たすための「ファミマこども食堂」を全国で約350回開催しました。持続可能なサプライチェーンづくり、働き甲斐ある職場環境整備に向けて、今後も進化を続けていきます。 

サステナブルなチョコレートを使用した商品

ファミリーマートコレクション ストロベリーチョコファミリーマートコレクション ピーカンナッツチョコ(12月初旬より発売予定)…バリーカレボー社ココアホライズン認証を得たチョコレートを使用。 秋冬に伸長するチョコレート市場に対して、毎年定番で発売している「ストロベリーチョコ」と、近年人気が上がっているピーカンナッツを使用した「ピーカンナッツチョコ」 を発売。 

<ジースプレッド株式会社

会社は「社会や未来を良くするためにあるもの」それがサステナビリティだと思います。

売上や利益を上げても、社会が良くなければ意味がありません。サステナビリティは企業活動に+付け足すものではなく、企業活動=サステナビリティだと思います。

そして、サステナビリティは「人の生きる」に関わるとても重要な課題です。企業というよりも人への周知が必要だと思います。ジースプレッドは「やさしさを広げて、学校を創っています」やさしさは、誰かや未来の為に動く(生きる)ことです。

〇ジースプレッド株式会社: http//www.g-spread.co.jp 

サステナブルなチョコレートを使用した商品

GS10 ハートクランチ(販売中)…本来 12個入りのところ 11個入りのボックスにして、ハート型の説明カードを入れ、やさしさが広がるようにやさしさのメッセージを入れています。本体価格の5% 50円が学校建設資金になります。 

<ル ショコラ ドゥ アッシュ> 

心を前に進めるプロフェッショナルな仕事を創り上げることが私の仕事に対する取り組み方でもあります。

その中で地球環境を含め素材と向き合うことと、それを作る農家の方々との連携が循環経営に繋がるのだと確信しています。
2020年4月、10ヘクタールのペルーのカカオ農園取得に向けて交渉してましたが、今はペルーには行けない状況になってしまい、契約は秋くらいになりそうです。自分で農業に携わりながらムダをブランディングし、利に繋げてこそ、サステナブルへのドアが開かれると感じています。

パティシエ ショコラティエ 辻󠄀口博啓氏

サステナブルなチョコレートを使用した商品

カシスティー(左)、バナナベリー(右)

バナナベリー BANANA BERRY(販売中)…第4のチョコレート“ルビーチョコレート”(ココアホライズン認証)にバナナ、木苺、ミントを組み合わせたタブレット。

ルビーチョコレートと木苺の甘酸っぱさ、バナナの甘味を感じ、最後にはミントの爽やかですっきりとした後味を楽しむことができます。

カシスティー CASSIS TEA(販売中)…第4のチョコレート“ルビーチョコレート”(ココアホライズン認証)にカシスの酸味と食感を加え、濃厚なアッサムティーの香りを組み合わせたタブレット。

相性の良い素材の余韻を楽しむ上品な味わいに仕上げている。 

<チョコレートデザイン株式会社

「チョコレートで世界を幸せに」を企業理念とするチョコレートデザインは、2007年から全てのチョコレート製品をフェアトレードチョコレートに切り替え、2019年にはその通算使用料が 400tを突破しました。

「食べる人だけでなく、作り手、そしてカカオ原産国の人々にも笑顔が増えるような仕組みづくり」を一番に考え、ガーナに小中一貫校を建設するなど様々なプロジェクトを行ってきました。

現在は、現地のシングルマザーをはじめ、農園で働くお母さんの自立を支援する取り組みに参画中。「いつかは自分の農園を持ちたい」そんな夢を抱く女性達を育て、国を豊かにしていく長期プロジェクトです。

また、チョコレートデザインは今年で設立 20周年。今後は主力ブランド「バニラビーンズ」をはじめ、横浜市内に構えた焙煎所を活用した事業を拡大予定。長年培ってきた三方良しのビジネスモデルで、 カカオやチョコレートの新たな可能性を追求していきます。 

サステナブルなチョコレートを使用した商品

ショーコラ(販売中)…バニラビーンズの『ショーコラ』は、厚さ1cmの生チョコをチョコでコーティングし、自家製クッキーでサンドしたフェアトレードチョコレートを使用したロングセラー商品。

「サクッパリッとろり」 の食感の良さとガナッシュの滑らかさが話題を呼び、楽天市場では総合ランキング1 位、スイーツジャンル大賞を受賞するなど今もなお多くのファンを魅了している。 

<株式会社前田商店

プロフェッショナル向けベルギーチョコレート「カレボー®」の日本国内主要販売代理店である前田商店は、環境に配慮した製品を仕入れ、シェフをはじめとするお客さまに「サステナブル」を推進していきます。

それは私たち卸販売業のような川中だからこそできるアクションです。

カレボー®のチョコレートは全製品ココアホライズン認証製品です。

また、前田商店は SGDs より以下の取り組みを行っています。 

RSPO 認証製品販売、CISV(ユネスコと協力関係にある NGO.団体)と の協力関係、省電力化の取り組み(環境取り組み)、営業車をハイブリッ ト車へ変更、AKAITORI(B2C 事業)- 紙製のストロー、保冷材不使用、自然教育支援への寄付 

クリスマスシーズンに欠かせない「クリスマスケーキ」も、チョコレートを通じたサステナブルに。

<ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ> 

ROSY ~ロージー~ (10月1日~販売予定数終了まで予約受付・ 12月15日~25日の販売)…ミルクチョコレートのスポンジにライチで風味付けしたミルクチョコレートクリームと、ココアホライズン認証のルビーチョコレートのムースを重ね、爽やかなピンクグレープフルーツのゼリーをサンドした、華やかなクリスマスケーキ。 

愛くるしい見た目と、フルーティーかつハーモニーを奏でるバランスの良い風味は必食!

販売店舗:<ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ>  1階 ザ・ショップ N.Y.ラウンジブティック

予約、販売、受け渡し 受付時間:11:00〜20:00 (※当面短縮営業となりますので、詳しくはホームページをご確認ください。)

https://www.interconti-tokyo.com/info/info202004.html

<ロイヤルパークホテル> 

ブッシュ・ド・ノエル(10月1日~12月18日まで予約受付・ 12月21日~25日の販売)…キャラメルムースショコラに包まれたバナナのクーリーと、クリームショコラのハーモニーを堪能できる艶やかに輝くシックなブッシュ・ド・ノエル。

チョコレートとバナナの優しい甘味が口いっぱいに広がる余韻を体感してほしい。

 ※キャラメルムースショコラとクリームショコラにココアホライズン認証のカレボー商品を使用 

販売店舗:<ロイヤルパークホテル> 1階 スイーツ&ベーカリー「粋」

営業時間:11:00〜20:00 

https://www.rph.co.jp

−−−新型コロナウィルスのパンデミック下でのサステナビリティへの関心の高まり−−−

経済・社会・環境の変化にプラスの影響を与える持続可能なチョコレートへの長期的な移行に伴い、日本のいくつかのチョコレート菓子製造業者は、新型コロナウィルスのパンデミック下でさえも持続可能なチョコレートを生産についてコミットする事を再度確認。

今年 3月、有楽製菓株式会社は 2025年までに、高い人気を誇るブラックサンダーの原料を 100%サステナブルチョコレートにすることを目指すと発表しました。日本の大手製菓メーカーである森永製菓株式会社も、持続可能なチョコレートを発売し、全国の食料品店や小売店で販売。

このように、バリーカレボーとのパートナーシップが成功したことは、大規模な変革が可能であることを示しています。 

今回開催されたオンライン記者発表会内にて、森永製菓株式会社の取締役常務執行役員 宮井 真千子氏は「ダボス会議、オーストラリアの山火事など世界中で環境問題が報道される中、チョコレートを製造する企業として事業を通してどう取組むべきかを検討していました。そのような時にバリーカレボージャパン様から『食べる人も、作る人も、そして地球にも優しい』という”ココアホライズン”を紹介頂き、今秋より、環境に配慮されたカカオ原料(ココアホライズン認証カカオ)を使用することとしました。」 と語っていました。

また、2019年に実施された「バリーカレボー社による消費者認識調査」から、約50%以上の日本の消費者が将来、持続可能なチョコレートを購入する意思があり、66%の消費者が持続可能な商品のためなら、もっとお金を出してもいい。そして約80%の消費者が明確な目的意識のある企業を支持する傾向がある。70%以上が、持続可能なチョコレート製品は信頼性が高く、品質が高く、価値観に合っていると感じている。という調査結果を、バリーカレボージャパン株式会社 ダイレクター 花生浩平氏に伺うことができました。

現代、製品の出所が分かる企業が消費者に好まれるようになってきました。

そのため、より多くのチョコレート菓子製造業者、 シェフ、リテーラーがココアホライズンのようなサステナビリティ認証に目を向けています。

<ル ショコラ ドゥ アッシュ> のショコラティエ 辻󠄀口博啓氏は「商品のクオリティーを向上するために根底にあるのは『Farm to barの考え方』、そして素材の生育や発酵過程の中で見えてくる世界をいかに消費者に伝える必要があるかということです。素材の循環を意識し、ファームと店のあり方に付加価値を見出せればと思います。」と会見で語っていました。

バリーカレボージャパンのパスカル・ムルメステール社長は「私たちの大胆な使命は、日本のチョコレート業界全体を変えることです。私たちだけでは達成できませんし、私たちは一人ではありません。日本の新しい消費者は、地球と人々を深く気にかけています。そして、私たちが日本のチョコレート業界を代表して共に立ち上がる今日、私たちはサステナビリティに真剣に向き合い、共に未来の世代への大きな変化という遺産を残します。」と語りました。 

バリーカレボージャパン株式会社代表取締役社長 パスカル・ムルメステール 氏

2025年までに持続可能なチョコレートを標準にしようと計画する【フォーエバーチョコレート】の取り組みがグローバルで開始されて以来、バリーカレボーは世界中のココアとチョコレートのバリューチェーンに体系的な変革を積極的に推し進めてきました。

さまざまな取り組みの中で、バリーカレボーは一貫して、目的を重視し、サステナビリティを事業戦略の中心に据えることを他社へも推奨。

また、主要な認証プログラムの1つであるココアホライ ズンの導入を主導することで、原産国でのサステナビリティへの取り組みに今回のオンライン記者発表会 登壇企業各社含め、購入したお客様が直接貢献するための効果的な手段になるそうです。

今年の始まりから世界的な感染拡大を見せている新型コロナウイルス感染症の問題もそうですが、地球環境の悪化である温暖化など、多くの生命が危険にさらされるなど、世界中で解決しなくてはならない問題が、数多く起こっています。

ただ、無理や我慢をして取り組むのではなく、楽しみながら、未来へ続く世界を作っていくことが大切なのではないでしょうか。

今回参加した「サステナブルチョコレートの未来~菓子業界の今後~オンライン記者発表会」では、私たち消費者でも気楽に【持続可能なチョコレート製品】を購入することで、「持続可能な未来を創造する」という共通の目標に賛同できる、参加できる取り組みだと感じました。

まずはその一歩を一緒に進めてみませんか?

ということで、今回の[佐藤ひと美のスイーツレポート]では、「持続可能な未来を創造する」 チョコレート業界を代表する各社が、チョコレートを通じたサステナブル宣言!をご紹介させていただきました。


味わいの細部までこだわったスイーツで心に響く笑顔に繋がればと思います。

まだまだ自粛ムードが続きますが…次回も、素敵なスイーツ情報をご紹介させていただきます。

お楽しみに!