2021年1月以降から名だたる雑誌で『Maritozzo(マリトッツォ)』に関する記事を見かけるようになり、今では日本各地のパン屋、洋菓子屋、カフェなどで販売され、朝早くから行列のできるお店もあるほど話題となったイタリアンドルチェ。
昨年3月、EATALYの日本3店舗目となる新店舗 「EATALY HARAJUKU(イータリー原宿)」が誕生し、原宿店限定メニューとして、ローマの名物菓子『Maritozzo(マリトッツォ)』を新たに発売。
「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」や「プリンチ代官山T-SITE」などを運営するスターバックス コーヒー ジャパン 株式会社では昨年、日本におけるバタークリームや生クリームの需要が高まったことを背景に、2021年のブームになるのでは。と分析し2020年11月からシーズンフレーバーとして登場しました。
同時期 2020年11月、全国に469店舗展開し、輸入食材などを扱う「KALDI COFFEE FARM(カルディ コーヒー ファーム)」でも日本向けの”冷凍食品”『Maritozzo(マリトッツォ)』を発売したところ、SNSなどで話題になり、およそ34万個を売り上げる大ヒット商品になりました。
食のセレクトショップ「DEAN & DELUCA(ディーン&デルーカ)」も2021年3月からクリームを味わう、イタリアンベーカリーとして『Maritozzo(マリトッツォ)』を販売開始するなど、
全国展開企業の参入により多くの方の目にとまり、今年期待の流行スイーツとして話題となっています。
さて今回は、『Maritozzo(マリトッツォ)』のネーミングや日本での流行に着目してご紹介していこいうと思います。
インパクト抜群なイタリア・ローマ発祥ドルチェ『Maritozzo(マリトッツォ)』
スイーツ、スイーツと言われているが、個人的に”いや、ドルチェでしょ?”とツッコミたくなるローマ発祥『Maritozzo(マリトッツォ)』。
この『Maritozzo(マリトッツォ)』に使用されているのは、オレンジピールで香り付けされたブリオッシュのようなふわふわっとした軽い食感のパン。
ブリオッシュと聞けば、フランス革命に火をつけた諸説の一つ
“If the people have no bread, let them eat cake(brioche). ~パンがなければブリオッシュを食べたら良い。~”
というフレーズを思い起こす方も多いのではないでしょうか。
スイーツ好きだけでなく歴史上でも有名なフランス国王ルイ16世王妃 Marie Antoinette(マリー・アントワネット)が、当時フランスの庶民がパンも買えないほどの貧困に苦しんでいた中で放ったセリフと言われています。
(当時フランスで販売されていた普通のパンに比べて、ブリオッシュは半額くらい安いパンでした。)
諸説ありますが、この言葉が ~パンがなければお菓子を食べたら良い。~という言葉で広まっていった。というものや、実はルイ15世の娘 アデレイド王女の発言だったが、当時パリの国民から浪費癖が悪い王妃だと反感をかっていたマリー・アントワネットが放った言葉だと悪者扱いや悪評が広まり、フランス革命のために犠牲になったそうです。
さて、話がかなりズレてしまったので本題に戻りましょう。
『Maritozzo(マリトッツォ)』が誕生したのはローマ時代まで遡ります。といっても、その当時は今のように生クリームをたっぷり入れた姿ではなく、遠征時の携帯食料として大きめの甘いパンに砂糖漬けの果物やドライフルーツを加えたものであったと言われています。
イタリアで多く広まったきっかけは、キリスト教の四旬節と呼ばれるイースター前の40日間は肉を控え粗食にする期間中、植物性のオリーブオイルやレーズンで作る質素なマリトッツォ(エル・サント・マリトッツォ)を食べていたことが理由の一つとのこと。
エル・サント・マリトッツォは聖なるマリトッツォと呼ばれ、1833年にローマの詩人 ジュゼッペ・ベッリの書で触れられています。
気になる方は→ ( https://it.wikisource.org/wiki/Sonetti_romaneschi/La_quaresima )
今、私たちがブームと言って目にする『Maritozzo(マリトッツォ)』の姿になるのは1960年頃。
語源は、イタリア語で夫という意味の「Marito(マリート)」から来ており、諸説の一つとして、昔 3月初めの金曜日に男性が婚約者にマリトッツォをプレゼントする風習があり、マリトッツォのクリームの部分に指輪を乗せてプロポーズするなんて甘くロマンチックなドルチェです。
現在でも、『Maritozzo(マリトッツォ)』と共にエスプレッソやカプチーノなどをいただくのがイタリア人の朝食の定番なのだそうだ。
そんな『Maritozzo(マリトッツォ)』がなぜ日本でハマったのか。
生クリームにパンという素朴さが日本人好み。というシンプルな理由や、コロナ禍で海外旅行に行きたくても行けない…と飢えている人の増加に『ローマ発祥』というワードがグッと胸を掴んだキッカケかもしれません。
さて、日本でいち早く『Maritozzo(マリトッツォ)』を販売したのは大阪・京橋の洋菓子店「Patisserie Torkuchen トルクーヘン」。
お取り寄せもできるそうなので、気になった方は是非。
コーヒーに合うスイーツを求めに2013年、イタリア視察した際に出会ったことがきっかけで日本でも愛されるように試作を重ねて販売を始めたとのこと。
そして、〈マリトッツォ・ブームの震源地〉と呼ばれているのが福岡市中央区六本松にある「amam dacotan(アマムダコタン)」。
ブームの立役者として注目されているのがオーナーシェフ・平子良太 氏。2018年の開店以来、ダコタンバーガー、生フレンチトーストのほかパンデリバリーなど、豊富な経験と独自のセンスで新スタイルのメニューやサービスを生み出し、多くのファンを魅了しています。
お取り寄せもできるそうなので、気になった方は是非。
『Maritozzo(マリトッツォ)』がついにアフタヌーンティーにも登場!
東京・西新宿「ヒルトン東京」では、2階バー&ラウンジZATTAにてパンづくしのアフタヌーンティー『サマープティ・ブーランジェリー』が6月11日(金)より開催されます。
『サマープティ・ブーランジェリー』
価格:お1人様 5,100円(土・日・祝日 5,400円)※税・サ込
会場:バー&ラウンジZATTA / ヒルトン東京 2F
開催期間:2021年6月11日(金)~8月末を予定
営業時間:11:30am ~ 8:00pm (※ご予約は11:30am~、2:30pm~、6:00pm~の3部制)
ご予約:ウェブサイト https://tokyo.hiltonjapan.co.jp/plans/restaurants/afternoon/zatta-2106
【ヒルトン・クリーンステイ対策】
https://www.hilton.com/ja/corporate/cleanstay/
たくさんの種類のパンを少しずつ色々食べたい!そんなパン好きへ贈るパンづくしのアフタヌーンティー『プティ・ブーランジェリー』。
6月からは、トマトを練りこんだフォカッチャ生地に、パプリカ、ズッキーニ、オ二オン、トマトなどで作るラタトゥイユを乗せて焼き上げるもっちりした食感の「ラタトゥイユ・フォカッチャ」、塩ゆでした枝豆をクロワッサン生地に巻き、パイ仕立てでご用意する「枝豆スティックパイ」などの夏野菜をふんだんに用いたお食事パンやサンドイッチに加え、スコーンやグラススイーツ、前菜、スープがセットになって期間中毎日開催されるとのこと。
その中には、「ラズベリーのマリトッツォ」が登場するという話題のアフタヌーンティー。
愛の告白に一役買っていた『Maritozzo(マリトッツォ)』。
生クリームたっぷりの見た目に圧倒されつつ、食べてみると意外と軽い。そんな愛らしいシンプルなイタリアンドルチェ。
貴方も食べてみたくなりました?
最近は、地域密着型のパン屋でも《今話題のマリトッツォ 販売中!》と表示されるや否や、午前中に完売するほど。
トレンドに疎い年代も惹かれて購入する方が多い。と私も近所のパン屋のママさんから『ブームにのっかって作ってみたら、もうビックリしちゃったわょ〜』なんて笑顔で話してくださいました。
ということで、今回はネーミングも甘い。全国的ブームを引き起こしたイタリア・ローマ発祥の『Maritozzo(マリトッツォ)』についてスイーツレポートさせて頂きました。
緊急事態宣言も延長する可能性も高くなってきたので、次回もおうちで楽しめる甘い情報をお届けしようと思います。
お楽しみに!