[佐藤ひと美のスイーツレポート186]ローズウォーターレシピアワード2022 開催!

先日、東京都渋谷区の駐日ブルガリア共和国大使館にて最終審査が行われた【第9回 ローズウォーターレシピアワード】。

ブルガリアンローズの普及、及び新しいブルガリアンローズ文化の創造・発信を目的に活動している「一般社団法人ブルガリアンローズ文化協会」主催のもと、ローズウォーターを浸透させるイベントとして開催されている【ローズウォーターレシピアワード】は、ブルガリア産有機ダマスクローズウォーターを使った独創的なレシピを学生や一般、そして現役シェフが競い合うコンテスト。

最終実技審査に取材訪問させていただきました。

特別審査員:駐日ブルガリア共和国特命全権大使 マリエタ アラ バジエヴァ氏、ブルガリアンローズ文化協会理事長 山下 文江氏、リストランテ アルポルト 片岡 護シェフ、ミュゼ・ドゥ・ショコラ テオブロマ 土屋 公二シェフ、パティスリーアンフェンス 野田有作シェフによる厳正なる味覚審査と、試食している目の前でのプレゼンテーション。

プレゼンテーションでは、ローズウォーターを使うことの難しかった点や、試行錯誤した箇所などの質疑応答などを受けていたのですが、日本でのイタリア料理の草分け的存在である片岡 護シェフや、日本のトップショコラティエ&パティシエとしてその名をはせる土屋 公二シェフを前にして現役シェフの緊張感、そして、これからプロを目指す生徒たちへ向けてのアドバイス指導もあり、参加者の日頃どのような姿勢で作ることへ向き合っているかなども目の当たりに感じるイベントでした。

そもそも、香り豊かなブルガリアンローズウォーターは、香り付けだけなく素材の味を引き立てる新しい調味料として和・洋・中・菓子の各界で注目されているそうです。

【ローズウォーターレシピアワード】では、無農薬有機栽培のブルガリア産ダマスクローズから採れたローズウォーターを使った創造的なお菓子や料理、飲み物に使ったオリジナルレシピを募集。

学生部門:スイーツ、料理、ドリンク 

一般部門:スイーツ、料理、ドリンク 

今回はスイーツ部門の受賞者と作品をご紹介。

学生部門:スイーツ部門

〈金賞〉川嶋舜之 氏(にいがた製菓・調理専門学校えぷろん)「ローズと紅茶のババロア」 

ーーー以前、とある百貨店催事で出会った「テイラーズオブハロゲイト」社のチャイナローズペタルという紅茶が大変美味しいと印象に残る味だったので、それをババロアで再現。

〈銀賞〉本田心花 氏(にいがた製菓・調理専門学校えぷろん)「桃のムースフロマージュ」 

ーーーコクがあり滑らかなムースフロマージュと、ローズの香りを効かせた華やかな桃のコンポートとジュレを合わせ、爽やかでさっぱりと食べれるように工夫しました。

〈銅賞〉山崎日和 氏(にいがた製菓・調理専門学校えぷろん)「バラのフィナンシェアップル包み」 

ーーー焼き菓子にローズウォーターを使うことに挑戦。人気菓子のフィナンシェ生地を焼き型に入れ、中にローズウォーターで煮たリンゴを入れて焼き込み、仕上げにローズウォーターを使ったアンビベシロップを染み込ませて香りを強く出して『ローズウォーター』の良さを知ってもらえる菓子に仕上げました。

一般部門:スイーツ部門

〈金賞〉所佳樹 氏(ショコラティエ)「ローズのブランマンジェ ローズのジュレを添えて」 

ーーー薔薇の華やかさと、美しさ、ブランマンジェの濃厚さ、爽やかさとのマリアージュを表現。

〈金賞〉内田将太 氏(洋菓子製造) 「~Rose Consolateur~

ーーーブルガリアンローズウォーターの香りと風味を活かすことを一番に考え、召し上がっていただく方に安らぎや癒しを届けたいという思いで考案。健康も考慮し、着色料は使用せず、甘さも抑えシンプルな素材で仕上げることにしました。筒状のチョコレートの中には、ピンクグレープフルーツのジュレと合わせたライチムース、ライムヨーグルトのクリーム、ホワイトチョコレートのクルスティアンが入っており、ローズが香るオーガニック白ワインジュレ、ゲランドの塩を使ったローズグラニテを組み合わせたアシェットデセールです。

〈銀賞〉鈴木潤 氏(にいがた製菓・調理専門学校 教師) 「ローズムースショコラ

ーーー製菓事業の花形は『アントルメムースショコラ』。その花形のケーキにローズウォーターを使って、香り高く上品な、他にはないNo.1のケーキを作ってみようと考案。カットした時の断面の華やかさにも注目。


〈銀賞〉小林未沙 氏(ショコラトリー タカス) 「バラノシズク

ーーー『バラとショコラのマリアージュ』がテーマのチョコレートケーキ。チョコレートは赤い果実のニュアンスを持つマダガスカル産カカオを使用し、エキゾチックなカカオパルプ、ヨーグルトの酸味を合わせ、全体の風味を際立たせています。

〈銅賞〉甘粕憂子 氏「バラの谷のジュレ」 

ーーー6月2日『ローズの日』に子供から感謝を込めてプレゼントできるように考えたレシピです。

緑は葉、黒で土を表してバラの谷をイメージ。ローズの香りを大切にできるように抹茶とこし餡のバランスも考えて考案。

〈銅賞〉大貫涼太 氏(洋菓子店 ハートの小径) 「Rose Financiers “Gratitude”」 

ーーーブルガリアの素晴らしい文化である『バラの日』。「ありがとう」や「感謝」をテーマにお祝いの贈り物や、家庭で楽しめるように小さく可愛く仕上げました。ローズウォーターとクランベリーを合わせ、しっとりと焼き上げた香り豊かなフィナンシェです。

参加された多くの方々が、それぞれ何度も試作を重ね香りを活かす工夫をし挑戦した【第9回 ローズウォーターレシピアワード】。

どれも素敵に仕上げられた作品ばかりでしたが、合わせる素材によってはローズウォーターの優しい香りやほんのりとした甘味が消えてしまうこともあり、レシピ考案が非常に難易度が高かったのではないか…と、ひしひしと感じたプレゼンテーションであったり、可能性を真剣に模索しながら完成された作品が多かったのが印象的でした。

その他、参加者作品

ローズが主役のスイーツもあれば、そっと支える名脇役であったり。

でもその背景には”薔薇に託して大切な人に感謝の気持ちを伝えよう”というあたたかい想いが詰まっています。

この活動は毎年開催され、商品化されるものも出てくると思うので、店頭で見かけた際には《感謝》を伝えるアイテムの一つとして手に取ってみていただけたらと思います。