6月6日は「ロールケーキの日」。
福岡県北九州市小倉には古くからロールケーキを販売する洋菓子店の名店が多く、地域でもロールケーキが愛されてきた伝統があるのだとか。
小倉北区・小倉南区で活動する「6月6日はロールケーキの日実行委員会」(旧・小倉ロールケーキ研究会)が、ロールケーキで街を活性化することを目的に制定しました。
ロールケーキの「ロ」と数字の「6」の語呂合わせ、そしてロールケーキの断面が数字の「6」に見えることから、6月6日が選ばれています。
また、毎月6日は、ふんわり、しっとりの食感を壊さないようにやさしく手で巻き上げたロールケーキを全国のスーパーやコンビニなどで販売している「株式会社モンテール」が制定した「手巻きロールケーキの日」でもあります。
どちらの由来も、ロールケーキの形状と数字の「6」を結びつけたユニークな発想から生まれたもの。
また、6月6日は、全国各地でロールケーキにちなんだイベントが開催されたり、パティスリーでは特別なロールケーキを販売したりと、ロールケーキ好きにはたまらない日なのではないでしょうか。
今回は、その中でも特にこれは食べておいてほしい「ロールケーキ」をご紹介していきます。
◾️S.Weil(エスワイル) by HOTEL NEW GRAND
横浜を代表する「ホテルニューグランド」のホテル直営ショップ「S.Weil by HOTEL NEW GRAND(エスワイル バイ ホテルニューグランド)」。
1927年ホテルニューグランドの開業にあたりパリのホテルより招聘され、30歳の若さで初代総料理長に就任したサリー・ワイル氏は、本格的なフランス料理と独自のサービスを日本に持ち込みました。1973年、勲五等瑞宝章を授かり、日本における「西洋料理の父」と呼ばれています。
日本の西洋料理に自由と革新をもたらした初代総料理長サリー・ワイルの功績と技を受け継ぎ“やわらかな正統派”をコンプセプトとした「S.Weil(エスワイル) by HOTEL NEW GRAND」で出会うことができるのが、美しい螺旋の「モカルーロ」。
モカルーロ
ホテルニューグランド初代総料理長サリー・ワイルのもとでベーカリーシェフを勤めた大谷長吉氏が、1951年に開業したフランス菓子専門店「S.Weil(エスワイル)」。このお店の看板商品が、コーヒーを使ったバタークリームをカラメルカフェ風味のロール生地で巻いた“ルーローモカ”でした。
このレシピを引き継ぎ、S.Weilブランドのシグネチャーアイテムとして販売する「モカルーロ」。
『美しい巻きは、巻き始めですべてが決まる』
見た目にも美しく、丁寧で均一に、しなやかな弧を描いたモカルーロに仕上げるには、クリームや生地に至るまで、随所で熟練の技が必要になる。
また、コーヒー風味のバタークリームは、世代を超えて愛される伝統の味。
生地とクリームにオリジナルコーヒーを使用した、美しい巻きとふんわりとした生地に薫り立つコーヒークリームが魅力の一品です。
可愛らしいパッケージに入っているので、手土産にも喜ばれますよ!
◾️ザ・キャピトルホテル 東急
東京都千代田区永田町にある「ザ・キャピトルホテル 東急」。
シェフパティシエを務める安里 哲也 氏は、次世代トップパティシエの一人として、日本洋菓子協会連合会 指導員やコンテスト審査員も歴任。旬の食材に注目し、上質で洗練されたデザインの中に季節を感じることのできる商品を提案しています。
季節ごとに選りすぐりの素材を使用したオリジナリティ溢れる夏季限定【ロールケーキ コレクション】
https://www.tokyuhotels.co.jp/capitol-h/index.html
6月:パイナップルロールケーキ
販売期間:2024年6月1日(土)~6月30日(日)
ほんのり甘いココナッツクリームとパイナップルの果肉、柑橘の酸味を加えたパイナップルクリームを米粉の生地で包み込んだ、初夏におすすめの爽やかな風味のロールケーキです。
7月:アップルマンゴーロールケーキ
販売期間:2024年7月1日(月)~7月31日(水)
もっちりとした食感の米粉のスポンジで、とろけるような甘さのアップルマンゴーをたっぷりと包み込みました。トロピカル感あふれる香り豊かなロールケーキをお楽しみください。
8月:シャインマスカットロールケーキ
販売期間:2024年8月1日(木)~8月31日(土)
みずみずしいシャインマスカットを粒ごと惜しげもなく使った華やかなロールケーキ。マスカットリキュールをあわせた香り高い生クリームやコンフィチュール、ジューシーな果肉が贅沢な味わいを演出します。
季節感あふれる見た目もさることながら、風味や香り、口どけなど細部にまでこだわった、洗練された味わいをお楽しみいただけます。
◾️自由が丘ロール屋
辻口博啓氏が手掛けるロールケーキと焼き菓子の専門店「自由が丘ロール屋」。
ロールケーキの一番の魅力である、ふんわりと焼き上がった生地を生み出すために必要な小麦粉。種類や配合に日々新しい試みを続けています。
卵・砂糖・粉の品種や調合、食感・香り・余韻にこだわっており、なめらかな舌触りを楽しんでいただけるようにと、製法にもひと手間加えたり。この僅かな差が、より豊かな味わいを生み出しているのです。
自由が丘ロール
自由が丘ロール屋のスペシャリテ「自由が丘ロール」。2023年9月のリニューアルでさらに美味しくなりました!
その美味しさの秘密は、素材へのこだわりと、製法の工夫にあります。
生地の配合から全てを見直しさらに美味しい唯一無二のロールケーキを目指し研究に研究を重ね、素材や製法をいちから見つめ直し、再構築。
北海道産100%の小麦粉は試作を繰り返したこだわりの配合でふっくらとしながらもしっとりと口どけの良さを大事にした厚みのあるシフォン生地。見た目にもこだわり分厚いのに巻いても生地が割れません。
生地には、甘みが強く艶がありしっかりとした味わいの栃木県産高級卵「那須御養卵」を使用することで、クレームシャンティに負けない仕上がりになっています。
中のクリームにはコクがあり軽やかな口どけの生クリーム、そしてセンターには濃厚な味わいの赤玉の那須御養卵を贅沢に使った濃厚なクレームパティシエールを合わせくるりと巻き上げています。
シンプルなロールだからこそ味わえる特別感。
前から受け継がれているこだわりを残しつつ、新しさを感じるロールケーキ。素材の本質やその奥に広がる世界を体感してみてください。
◾️Mr. CHEESECAKE
バニラ・レモン・トンカ豆が生み出す、甘く爽やかな香りを楽しめるチーズケーキや、お酒と小麦粉を使用していないティラミスなど、レストランデザートのような濃厚かつ儚い口溶けを楽しめるスイーツを届ける「Mr. CHEESECAKE」。
チーズケーキにとどまらず、フレンチレストラン出身のシェフ田村の感性と確かな技術、そしてひらめきから“今までにないおいしさ”を探求し提供するためにスタートしたプロジェクト「Tam Lab.(タムラボ)」から、毎月6日に数量限定で販売する四角い形のロールケーキ。
square roll cake
販売日:2024年6月6日(木)以降、毎月6日 10:00より販売
販売場所:公式オンラインストア
しっとり感とふんわり感を両立させた今までにない食感のロールケーキ。
クリームは、貴重な烏龍茶「武夷岩茶」を加え、旨味と香り、コクのある味わいに仕上げました。おすすめの食べ方は、ケーキの底に忍ばせたプラリネが溶け出す全解凍。しっとりでふんわりとした食感をご堪能ください。
「Tam Lab.」の商品は、オンラインストアでのみ販売されており、数量限定のため、公式ウェブサイトやSNSで情報をチェックして購入する必要があります。
詳細については、公式オンラインストアをチェックしてくださいね!
シェフ田村氏コメント
「ロールケーキ」というシンプルなお菓子を自分なりのおいしさで表現したいと思い、作りました。
生地は、しっとりとしていながらもふんわりとした食感もお楽しみいただけるよう、卵白と卵黄を別々に泡立てる別立てを採用。卵白はしっかりと泡立てることでふんわりとした食感に繋がり、卵黄はメープルシロップや赤砂糖を加えてから泡立てることでしっとりとした食感に繋がります。そこへリッチな味わいのアーモンドパウダーでコクを加え、軽い中にもしっかりとしたおいしさを生み出しました。
クリームは、世界遺産「武夷山」でしか生産されない貴重な烏龍茶「武夷岩茶(ぶいがんちゃ)」を生クリームに一晩漬け込み、ゆっくりと旨味を抽出。その後、丁寧に漉し、スキムミルクと砂糖を加えて泡立てることで、香ばしくも旨味のある味わいに仕上げました。さらにケーキの底には、ピーカンナッツのプラリネを忍ばせることで、シンプルな味わいの中に変化と強い旨味を与えてくれます。
一般的なロールケーキと比べても珍しい、四角い形に仕上げたTam Lab.のロールケーキ。旨味・香り・コクのある口溶けの良いクリームが、しっとりとふんわりを両立させた生地と一緒に溶けて消えていく心地よさをお楽しみください。
ロールケーキ「巻き」に詰まる、奥深い哲学
柔らかな生地がクリームやフルーツを優しく包み込むロールケーキ。
異なる要素を受け入れ互いを引き立て合う「包容」や、異なる味が一つに「調和」することで、より豊かな味わいが生まれます。
生地を薄く焼く、クリームを塗る、巻く、という工程を繰り返す。平らな生地が巻かれることで全く異なる形に変化する可能性を秘めたロールケーキを切ると、美しい渦巻き模様が現れる。
ふわふわのスポンジ生地と、なめらかなクリームの組み合わせは、シンプルだからこそ素材の味が際立ち、職人の技術が光ります。また、クリームの種類や風味、生地の食感など、バリエーションも豊富で、様々な楽しみ方ができるのも魅力の一つ。
シンプルながらも、そのおいしさは奥深く、多くの人々に愛される定番のスイーツ「ロールケーキ」。
固定観念にとらわれず、柔軟に形を変えることで、新しい価値を生み出すことができる無限の魅力や物語を内に秘めた菓子だなと改めて感じることができました。
普段何気なく食べているロールケーキも、少し視点を変えることで、新たな発見や感動があるかもしれません。
「Tam Lab.」のスクエアロールケーキのように、従来のロールケーキの概念を覆すような新しい試みも登場しており、ますます目が離せない存在になっていますね。
せっかくなので、お近くの洋菓子店で美味しいロールケーキを味わってみてはいかがでしょうか?