
バレンタインの足音が聞こえてくると、銀座の街がひときわ華やぎます。数ある百貨店催事の中でも、毎年前回を上回る「体験型」の仕掛けで私たちを驚かせてくれるのが、松屋銀座の「GINZA バレンタインワールド」です。
2026年のテーマは、「五感で楽しむカカオ」。 昨年までの「食体験」をさらにブラッシュアップし、ついに「デセールコース」という究極のライブステージが初登場します!

「GINZA バレンタインワールド」開催概要
会期: 2026年2月4日(水)〜14日(土) ※ 11日間
会場: 松屋銀座 8階イベントスクエア
ブランド数: 74(うちイートイン・実演:23ブランド)
EC販売: 松屋オンラインストア( https://store.matsuya.com/cp.html?fkey=valentine ) 1月30日(金)まで ※一部商品は2月14日まで継続

【注目POINT 1】予約必須!五感を揺さぶる「デセールコース」の誕生
今年の松屋銀座が放つ最大のサプライズは、パティシエが目の前で一皿ずつ仕上げる完全予約制の「デセールコース」です。単なるデザートの提供を超え、ライブステージのような臨場感の中で「カカオの物語」を体験できる、まさに今年のトレンドを象徴する企画。
特に注目すべき2ブランドを深掘りします。
1. 〈レストランローブ〉平瀬祥子氏の「ムニュカカオ」
~甘味と塩味の境界を溶かす、カカオの多面性を味わう~

パリで研鑽を積み、女性シェフパティシエとして確固たる地位を築いた平瀬氏が提案するのは、まさに「料理としてのカカオ」。

その幕開けを飾るアミューズブッシュからして驚きに満ちています。登場するのは「フォアグラショコラ」をはじめとする4種のフィンガーフード。一口目からカカオの持つ芳醇なコクと塩味の共演を突きつけられ、私たちの固定観念は心地よく裏切られます。
コースが進むにつれ、その構成はさらに「攻め」の姿勢を強めます。
一皿目の「ホワイトカカオ ベンガルスパイス」には、力強くもフルーティーな「アマゾンカカオ水」を。

そしてクライマックスとも言える三皿目、みずみずしいヤーコンのピクルスやアイスに対し、シェフが選んだペアリングはなんと「鹿のコンソメ」です。ジビエの野生的な旨味とカカオの油脂分・苦味が重なり合う瞬間は、まさに大地の恵みを丸ごと味わうような感覚。

一皿ごとに異なるカカオの表情が、緻密に計算されたドリンクによって鮮やかに輪郭を現します。
アルコールペアリングはもちろん、「カカオビネガーや洋梨のモクテル」といったノンアルコールのクオリティの高さにも注目。お酒が苦手な方でも、一皿ごとに計算し尽くされた「余韻のグラデーション」を等しく体験できる点は、平瀬シェフの優しさと哲学の現れ。
最後を飾るミニャルディーズ(ボンボンショコラ)まで、物語を読み進めるようにカカオの深淵に没入できる、今催事最大のハイライトと言えるでしょう。
2. 〈VERT(ヴェール)〉田中俊大氏の「茶湊流水(さそうりゅうすい)」
~日本茶とカカオが織りなす、一期一会の香り体験~

東京・神楽坂で「日本茶デセールコース」という独自のジャンルを確立した田中氏。松屋銀座限定のこのコースは、カカオを主軸に「お茶の可能性」を最大限に引き出した構成です。
田中シェフの真骨頂は、食材を単に合わせるのではなく、香りの「レイヤー(層)」を緻密に重ねていく手法にあります。
幕開けを飾るのは、ブランドのシグネチャーでもある「羊羹」。

今回は発酵柑橘とカカオパルプを用い、爽やかな酸味と奥深い発酵感を表現しています。
続く二皿目の「フォンダンショコラ」では、温かなダークチョコレートから溢れ出す濃厚なコクに、瑞々しく涼やかな「大葉のソルベ」とホエイのソースが絡み合います。口の中で生まれる劇的な温冷差、そして和のハーブである大葉が鼻腔を抜ける瞬間の清涼感は、まさに至福の一言。

さらに驚かされるのが、一皿ごとに供される独創的なペアリングドリンクです。
「青心烏龍茶×馬告(マーガオ)」や「抹茶×カルダモン」など、お茶にスパイスを掛け合わせた構成は、田中シェフにしか描けない緻密な設計図。カカオの個性を引き立てつつ、お茶の持つ新たな輪郭を浮き彫りにしていきます。
デセールコースを締めくくる三皿目は、視覚と嗅覚を瞬時に奪われる「苺と薔薇 燻製ショコラのパフェ」 。

主役となるのは、華やかに香る薔薇と甘酸っぱい苺 。そこに「燻製」というひと手間を加えたショコラを忍ばせることで、味わいに驚くほどの奥行きと幅を持たせています 。この重層的なデザートに合わせるのは、和紅茶の甘み、ほうじ茶の香ばしさ、そして玉露の旨味が緻密に計算された「和紅茶、ほうじ茶、玉露のブレンドティー」です 。お茶の渋みがショコラの輪郭を際立たせ、幾重にも重なる香りのレイヤーが、口の中で華やかな物語を紡ぎ出します 。
一期一会の香りに身を委ね、日本茶とカカオが魅せる華やかな世界を五感で堪能してください。
!Check! → 予約は1月21日(水)午前11時から。各回10席限りのプラチナチケットです。ドリンクペアリング(ノンアルコールもあり)を付けることで、カカオの輪郭がより鮮明になりますよ。
【注目POINT 2】ライブ感たっぷり!スターパティシエの限定デセール
予約制のコース以外にも、会場で絶対に見逃せないのがカウンターで繰り広げられるスターパティシエたちによる実演デセールです。「できたて」でしか成し得ない香り、食感、そして温度のコントラスト。目の前で一皿が完成していく高揚感は、まさにバレンタインという祭典の醍醐味です。
〈ゲン ササキ ラ・ブティック・ドゥ・ユキノシタ・カマクラ〉 :※2月4日~9日
〜弾ける柑橘の鮮度と、温冷が奏でるショコラの官能〜

国内外のコンクールで数々の栄冠に輝く佐々木元シェフ。彼の最大の武器である「素材への妥協なきこだわり」が、この会場で炸裂します。
今回登場するパフェ「Parfait elegance d’agrumes」は、小田原産のブラッドオレンジや不知火(しらぬい)といった、今まさに旬を迎えた柑橘が主役。
驚くべきは、その鮮烈な香りです。
実演だからこそ、カットしたての果汁の瑞々しさと、紅茶やショコラが混ざり合う瞬間の「生きた香り」をダイレクトに体感できます。 さらに、温かいフォンダンショコラと冷たいバニラアイスのコントラストを楽しめる一皿は、薔薇とフランボワーズのエレガントな香りが重なり、一口ごとに表情を変える重層的な味わい。
鮮度を大切にする佐々木シェフだからこそ到達できる、華やかで繊細な世界観に浸ってください。
〈マサハル コウヅマ〉 ※2月10日〜14日
〜驚きの食材選びと、発酵カカオが導くデセールの新境地〜

気鋭のパティシエ、上妻正治シェフが披露するのは、素材への深い探究心が生んだ独創的な二皿です。 特に注目したいのが、北海道産の希少な「月光百合根」を用いたデセール。
長期間の低温貯蔵で極限まで甘みを引き出した百合根を、コンフィとヴルーテ(滑らかなソース)に仕立て、そこに「発酵カカオバター」のエキューム(泡)を纏わせています。
百合根のホクホクとした滋味深い甘さと、発酵カカオの芳醇な香りが重なる瞬間は、これまでのスイーツの概念を覆すような衝撃。
もう一皿の、エクアドル産カカオ「パッハリート」を主軸にしたデセールも圧巻です。パッションフルーツの酸味やティムットペッパーの爽やかな刺激を重ねることで、カカオの持つフルーティーな側面を鮮やかに浮き彫りにしています。
素材の声を聴き、その魅力を最大化させる上妻シェフの「一皿の魔術」をぜひ特等席で目撃してください。
これらのデセールは出店期間が前後半で分かれている点に注意が必要です(ゲン ササキは2月4日~9日、マサハル コウヅマは2月10日~14日)。
お目当てのシェフの登場日に合わせて、ぜひスケジュールを調整して足を運んでみてください。
【注目POINT 3】進化系「ドバイチョコ」!?SNSを再び席巻する〈ディヴァン〉のエンジェルヘア

昨年、爆発的なブームを巻き起こしたドバイチョコ。
ザクザクとした食感の楽しさがひと段落した2026年、今私たちが求めているのは単なる流行の追随ではなく、その「先」にある驚きです 。そんなファンの期待に応えるように松屋銀座に上陸するのが、トルコの老舗ブランド〈ディヴァン〉が手掛ける「エンジェルヘアチョコレート」です 。
これまでのドバイチョコが麺状の生地「クナーファ」による力強いザクザク食感を楽しめるものだったのに対し、「エンジェルヘアチョコレート」がもたらすのはトルコの伝統菓子「ピシュマニエ」によるかつてないほど繊細な口どけ。
ピシュマニエとは、砂糖を煮詰めてキャラメル化させたものを職人が手作業で何度も引き伸ばして極細の糸状にし、小麦粉とバターの生地を合わせてさらに練り込んだ、まさに気が遠くなるような工程を経て作られる繊維状の芸術品 。
この髪の毛(エンジェルヘア)のように細い糖糸と、濃厚なチョコレート、そして香ばしいピスタチオが融合することで、唯一無二のテクスチャーが生まれます 。
特筆すべきはその断面。幾重にも重なる美しいレイヤーはSNS映え間違いなしの「ビジュアルインパクト」を放っており、まさに2026年の最新トレンドを象徴する一品といえるでしょう 。
ブームを「文化」へと昇華させる。
「ドバイチョコの進化系」と銘打たれてはいますが、その実体は1956年創業の歴史ある〈ディヴァン〉が守り続けてきた本物の伝統技術です 。 2026年のトレンド調査では、自分へのご褒美(自分チョコ)予算が過去最高額を更新しており、ユーザーは「一過性の話題」よりも「確かな品質と物語」に投資する傾向が強まっています。
ブームの第1波を経験したからこそわかる、ザクザク感とは一線を画す「貴婦人のようなしなやかな口どけ」。流行のその先にある、文化としてのカカオ体験をぜひ自身の五感で確かめてみてください。
【注目POINT 4】チョコ×お酒のマリアージュBAR
~バーテンダーの美学と、BAR専用ショコラが奏でる共鳴~

今年で5年目を迎え、もはや「GINZA バレンタインワールド」の顔ともいえる「マリアージュBAR」。今年はさらに踏み込み、「カクテル」とのペアリングにフォーカスしています。
カウンターの向こう側で繰り広げられるバーテンダーの流れるような所作。そして、その一杯の世界観を完璧に補完するために作られた、青森県弘前市〈浪漫須貯古齢糖〉の須藤銀雅氏による「BAR専用チョコレート」。この二つが合わさったとき、単なる「お酒とチョコ」という枠を超えた、圧倒的な没入感が生まれます。
期間ごとに移り変わる、三つの名店
〈BenFiddich〉※松屋初登場(2月4日〜6日): 新宿が世界に誇る「Farm to Glass」の旗手。森の香りを閉じ込めたような独創的なカクテルを、爽やかなハーブガナッシュが引き立てます。
〈SUKIYABASHI SAMBOA〉(2月7日〜10日): 銀座の歴史を刻む銘店。ひと口目は上品、後味はビターなカクテルに、バニラやトンカ豆の香りを丁寧に抽出したガナッシュを合わせ、静謐な余韻を演出します。
〈Bar Palinka〉(2月11日〜14日): 神楽坂のパーリンカ専門店。ラズベリーの蒸留酒に「鰹節」をステアした驚きのカクテルが登場。2種のショコラを挟むことで、一杯の中で味わいが劇的に変化する体験は、まさにカクテルの魔法です。
!Check! → 須藤氏の作る「BAR専用チョコレート」は、BARという空間の温度や湿度、そしてお酒の揮発成分までを計算に入れて設計されています。特に〈Bar Palinka〉のペアリングは、「鰹」や「昆布」といった素材がカカオとどう手を取り合うのか……。既存のバレンタインの常識を心地よく壊してくれる、スリリングな体験になるはずです。
【注目POINT 5】日本のテロワールを味わう「日本の食材×カカオ」
〜国産素材が奏でる、日本発・唯一無二のハーモニー〜

今年の「GINZA バレンタインワールド」で驚かされるのは、国産素材に光を当てた国内ブランドが昨年比3割増と大幅にパワーアップしている点です。これは、輸送コストやカカオ豆自体の高騰が続く「カカオショック」のなかで、改めて身近にある豊かな「日本素材」の魅力が見直されている背景もあります。
しかし、単なる「和風」に留まらないのが今年のラインナップ。厳選された素材がカカオの個性を引き立てる、ハイレベルなクリエイションが集結しています。
土地の個性を映し出す「テロワール」な一箱
〈ルフルーヴ〉(2月8日〜14日)

オーガニック農家出身のシェフが、地元・兵庫県「養父(やぶ)蒸留所」のウイスキー原酒を、自家製ホワイトチョコやミルクチョコと見事に調和させています。
〈テロワール バイ ダイチ オクノ〉

シェフの故郷・福井県の「蕎麦プラリネ」や「黄金梅」、さらには実家の庭で手摘みした山椒までを使用。土地の香りが一粒に凝縮されています。
職人の探究心が生んだ「和の香り」
〈アマゾニア〉(2月10日〜14日)

日本で古来愛される香木「クロモジ」を主役に。岩手県産と大分県産のクロモジを、葉と枝で使い分けることで香りの奥行きを追求した、森林浴のようなショコラです。
〈浪漫須貯古齢糖(ロマンスチョコレート)〉

青森の名産「りんご」に着目。紅玉や玉林など3品種のりんごを使い分け、りんご花の蜂蜜や、とうもろこしの「嶽(だけ)きみ」を合わせた独創的なアソートを披露しています。
!Check! → 内覧会で私が気になったのは、関東初登場となる「沖縄産カカオ」のみを使用した〈オキナワカカオ〉のBean to Barミニタブレット。

ベトナム産カカオの苗から沖縄で育てられた、非常に希少な国産カカオ。発酵の風味が活きたマットな味わいは、カカオマニアならずとも体験すべき「日本の未来」を感じる一品なのかもしれない。
【トレンド分析】は「贈る」から「自分が楽しむ」最高潮のイベントへ
今回の内覧会にて、株式会社松屋 広報部の福原裕紀氏に、最新の「松屋銀座 2026年バレンタインに関する意識調査」の結果について詳しくお話を伺いました。

福原氏が解説してくださったなかでも、特に衝撃的だったのが「自分チョコ」の予算推移です。 今回の調査では、「自分チョコ」の平均予算が10,662円となり、松屋がアンケートを実施して以来、初めて1万円の大台を突破しました。これは「本命チョコ」の平均予算(5,573円)の約2倍に達する驚きの結果です。

福原氏は、「これまでの『贈り物』というイメージから、バレンタインが『自分が楽しむイベント』へ完全にシフトしている」と分析。
「値上げ」を感じつつも、バレンタインは別腹の「メリハリ消費」
意識調査から見えてきたのは、賢くも熱い「消費者の本音」。そして、物価高騰に立ち向かう消費者のしたたかな戦略も見えてきました。
奮発したい層の存在: 物価高による値上げを感じつつも、約72%がバレンタインに関しては「節約を意識しない」と回答。
メリハリの精神: 普段は節約していても、バレンタインだけは「好きなもの・食べたいものを買いたい」という、いわゆるメリハリ消費の傾向が顕著です。
義理チョコの縮小: 自分チョコへの予算が過去最高を記録した一方で、「義理チョコ」の予算は減少傾向にあり、イベントの目的が「他者」から「自分」へ明確に移行しています。
リアルな「会場体験」を求める声が過去最高に

なぜこれほどまでに百貨店の催事会場が賑わうのか。福原氏によると、会場に足を運ぶ理由の第1位(約87%)は「一カ所で多くのチョコが見られるから」というものですが、近年さらに加速しているのが「体験」への欲求です。
イートインの利用経験者と「興味がある」層を合わせると、全体の約6割が会場での飲食に高い関心を示しており、今回の目玉である「デセールコース」の誕生も、こうした「その場でしか味わえない感動」への期待に応えた形だといえます。

福原氏のお話を伺い、バレンタインはもはや甘いお菓子を買う日ではなく、「最高に贅沢な自分への投資をする11日間」なのだと強く再確認しました。
2026年「GINZA バレンタインワールド」は《体験》がキーワード

2026年の「GINZA バレンタインワールド」は、単にチョコを買う場所ではなく、「カカオという素材の可能性を、プロの技を通じて目撃する場所」へと進化しました。
特にイートイン・実演販売が23ブランドという過去最高規模になったことは、コロナ禍を経て「その場、その瞬間でしか味わえない価値」を求める私たちの欲求に応えてくれるものです。
自分へのご褒美はもちろん、大切な人と「驚き」を共有しに、ぜひ8階イベントスクエアへ足を運んでみてくださいね。