【インタビュー】『果物おしゃれクッキング・簡単おすすめ105のレシピ』領家彰子さんに聞く「引き寄せられる果物の魅力」

幼い頃から、果物や野菜が好きだったというフードコーディネーターの領家彰子さん。果物・野菜好きを突き詰めていく中で、58歳にして東京農大短期大学栄養学科を卒業というパワフルな経歴の持ち主でもあります。このたび、果物の魅力がたっぷりつまった『果物おしゃれクッキング・簡単おすすめ105のレシピ』を出版された領家さんに、果物に対する想いや本の魅力などを伺いしました。


Profile 領家彰子 (りょうけ・しょうこ)

東京生まれ フードコーディネーター
自然豊かな故郷を持たない東京育ち故か、国内外を問わない旅行好き。
果物・野菜好きも高じて、58歳にして東京農大短期大学栄養学科卒業。
2015年度までNPO野菜と文化のフォーラム主催「野菜の学校:伝統野菜」の調理を担当。


――領家さんが果物や野菜を好きになったきっかけを教えてください。

領家「ごく幼い頃から果物や野菜をじーっと見ていたような記憶があります。それぞれが微妙な色彩や形を持っていて動き出すようで不思議だなと思っていました。草花でもよかったのですが、食いしん坊でしたね」

――領家さんがフードコーディネーターを目指したきっかけを教えてください。

領家「食べ物を作ったり、食べたりすることが仕事にならないかしら、と願っていて、食べ物を中心にすえていろいろなことをしてみたいと思ったのが、きっかけです」

――領家さんは、58歳で東京農大短期大学栄養学科卒業されたそうですが、東京農大短期大学に入学しようとおもったのはなぜですか?

領家「食べ物を科学的に見る目も必要だと思っていました。偶然でしたが、大学が歩いて通える距離だったのも何かの縁だったと思います」

――東京農大短期大学では、どんなことを学ばれたのですか?

領家「栄養学を専攻しました。ゼミはラットに異なった脂肪酸を与えて学習との関係を探りました。実験は高度な技術を要し学習効果の確認にまで至りませんでしたが、ラットは夜行性なので夜中12時から実験を始め、翌朝は授業という学生生活でしたが充実していました」

――2015年度までNPO野菜と文化のフォーラム主催「野菜の学校:伝統野菜」の調理を担当されてたとのことですが、具体的にどのような活動をされていたのですか?

領家「野菜を文化財としてとらえる『野菜を食べて知る野菜の学校』で活動してきました。当初は主要な大根や人参、なすなど、14品目を中心に野菜の知識、流通を学び、数品種の野菜を食べ比べるということをしました。食べ比べは野菜の持っている味が伝わるような基本的な調理方法、試食はその土地でよく食べられている調理とアイデア料理でメニューを考えました。何年か続けていくうちに在来種、固定種などの伝統野菜に注目して各県別に『野菜の学校』をほぼ毎月実施しました。野菜の知識、栄養、流通状況、現地報告、野菜の食べ比べ、試食で構成し、食べ比べ(伝統野菜とF1:一代雑種)と試食の調理を担当しました」

――このたび、刊行される『果物おしゃれクッキング簡単おすすめ105のレシピ』では、果物を使った様々なスイーツが紹介されていますが、果物を使ったスイーツを作るときに、工夫されていることなどあれば、教えてください。

領家「遊び心が大切かもしれません。果物は味以外にも造形としても個性的でかわいらしいです。縦に切ったと、横に切ったり、それだけでも大きく表情を変えます。そして、あまり常識にとらわれない『組み合わせ』みたいなことにも挑戦してみました」

――最新刊の『果物おしゃれクッキング簡単おすすめ105のレシピ』の魅力、ポイントを教えてください。

領家「意外に思われるかもしれませんが、果物はあまり食べられていないのです。もちろん果物はそのまま食べるだけでも美味しいものですが、ビタミン・ミネラルにも優れている食べ物です。いつでも食べられるように、いろいろな調理法で果物を使ったメニューを作ってみたいと思っていました。今回の本を作るにあたっては、誰でも簡単にできるということを目指しました。ですから今流行りのドライフルーツの作り方にしてもきわめてシンプルです。『誰でもすぐに作ってみれる』というのがこの本の魅力かもしれません」

――今後、領家さんが挑戦したいことなどあれば、教えてください。

領家「食べるってこんなに楽しいことなんだ!手間いらず食材の味が伝わる、作ってみたくなる料理の提案です」

――最後にスイーツファンに向けて、メッセージをお願いできればと思います

領家「季節を丸ごと、果物を口に含んでゆっくりと味わって欲しいです。果物はもちろんそのままでも十分美味しい食べ物です。でもほんの少しの手間と工夫をかけてみてください。テーブルにかわいらしい花が咲くことでしょう。本書は「いつでも果物を食卓に」という思いから作りました。ここにあるメニューをヒントにしていただいて、手近にある果物に挑戦してみてください」


果物おしゃれクッキング・簡単おすすめ105のレシピ

著者:領家彰子

出版社:三一書房

発売日:7月15日

そのままおいしいフルーツを、ひと手間かけてさらにおいしく食べるための105のレシピをオールカラーの写真付きでお楽しみください。