2023年3月に東京工房5周年を迎えたフランス・パリ発のショコラトリー「LE CHOCOLAT ALAIN DUCASSE(ル・ショコラ・アラン・デュカス)」。
東京工房5周年を記念し、アラン・デュカス氏が来日。それに合わせ、ショコラ工房見学もさせて頂きました。
日本スイーツ協会では、2018年8月に「ル・ショコラ・アラン・ デュカス 東京工房」のご協力をいただき『産地別カカオの魅力を学ぶチョコレート講座』を開催し、参加してくださった方と一緒に味覚体験を行ったこともある特別な場所です。
ミッシェル・ゲラール、アラン・シャペルら名だたる料理人に師事、モナコ「ルイ・キャーンズ」総料理長に就任、1990年には当時史上最年少の33歳でミシュランの三つ星を獲得たとして脚光を浴び、一躍フランス料理界の表舞台に立ち、“フレンチの帝王”と呼ばれる世界的に有名なフレンチの巨匠、Alain Ducasse(アラン・デュカス)氏。
食材の良さや美味しさを、本来の形で伝えていくことを責任だと感じているアラン・デュカス氏は、チョコレートにも本来の味を回復させる“味の探求”を求め、昔ながらの手作り製品を復刻するため、2013年フランス・パリ11区の家具屋や職人の街として栄えた伝統ある場所 バスティーユにチョコレート工場「Le Chocolat Alain Ducasse Manufacture à Paris(ル・ショコラ・アラン・デュカス・マニュファクチュール・ア・パリ)」をオープンさせました。
こちらの「マニュファクチュール(Manufacture)=工場、製造所、手作業」では、豆の厳選から自家焙煎、チョコレートの製造までを一貫して自社で行うBean to Barのチョコレート専門店としてだけではなく、世界各地にあるアラン・デュカスグループのレストランでデザートなどに使用するクーベルチュールを製造。
「Le Chocolat Alain Ducasse Manufacture à Paris」では、今のチョコレート業界が主に使用する大量生産できる機械ではなく、昔ながらの機械を使用し、職人が一つひとつ少量を丁寧に作り出しています。
来日したアラン・デュカス氏に4つの質問を伺ってきました。
ーーー古い機械を使用することにこだわる理由。
「マーケットに出ているような大量生産する新しい機械では表現できない、職人技ならではのチョコレートにこだわっているからです。本当に美味しいチョコレートを作る為には、職人しか使えない素晴らしく魂のこもった歴史のある古い機械を探し出し、修理して使っています。それを使うからこそ、今の”Alain Ducasse”ならではのクオリティのクーベルチュールや、それを展開するボンボンショコラなどの作品を生み出すことができています。
小さな機械で焙煎から行っています。緻密な調整が必要な作業で、温度調整などを職人が行うことで最高な味のクーベルチュールを作ることができるのです。」
ーーーカカオ生産者や農園はどのように選んでいるのか。
「手掛ける事業の規模が大きくなってきているので、カカオ豆の選別をするスタッフはいますが、自らプランテーションに赴くことは欠かさず、大切にしています。どういう環境でカカオ豆が栽培されているのかを知ること、実際に肌で感じることは私にとって非常に重要なこと。最も新しく私が出会ったカカオ豆というのが、ブラジルの小さな村から2時間ほど移動したプランテーションです。1000年かけて育ってきた森林の一部になっています。そこでは、クリオロ種※のカカオ豆が栽培されています。それを使ったチョコレートをフランスで製作中です。まもなく日本でも、そのクーベルチュールから創造された作品をお届けすることが叶うのではないか。と思っています。」
※クリオロ種カカオ:カカオの3系統品種として分類される代表的な品種「クリオロ種」、「フォラステロ種」、「トリニタリオ種」。この「クリオロ種」は、苦味が少なくフルーティーな風味と独特の香りを有しており、フレーバービーンズとして珍重されていますが、病害虫など外部環境に弱く栽培しにくいので、生産量は全体の約3〜5%という希少種です。
ーーー子供の頃のお菓子の思い出について。
「私が初めて作ったチョコレート菓子は、12歳の頃に祖母と作ったBûche de Noël(ブッシュ・ド・ノエル)です。その時に使ったチョコレートは、フランスでとても古いチョコレートメーカーが作っている板チョコを使ったのを覚えています。その後、料理の道に進んでしまったのでチョコレートに戻るにはしばらく時間が空いてしまいましたが、フランス料理の修行中であった1975年の頃、世界的に有名なフランス人・パティシエのガストン・ルノートルのもとで菓子作りを学ぶと同時に、『昔ながらの伝統的な製法でのチョコレートとその歴史を広く紹介したい。』と、チョコレートアトリエを創ろうとずっと思っていました。
ーーー好きなデザートは?
「私がまだ作っていないデザートです!これから生み出すデザートで共に感動を共有しましょう。」
ル・ショコラ・アラン・デュカス 東京工房 ショコラ工房見学
「Le Chocolat Alain Ducasse Manufacture à Paris」から届いた様々なカカオ産地のクーベルチュールのブロックの一部は、併設された2階 ル・サロンから見ることができます。
このクーベルチュールを使って、ボンボンショコラなどのショコララインナップだけでなく、パティスリーのデザートや焼き菓子を作っています。
チョコレート溶解機でクーベルチュールを45°Cの温度で溶かす機械は、表通り沿いに設置されているので、来店前にガラス越しに作業工程を眺めてみるのも面白いかもしれません。
奥のデザートセクションでは、東京工房だけでなく六本木、渋谷スクランブルスクエア店のサロンで提供する一部を製造。
ボンボンショコラのコーティングをするお部屋も案内して頂きました。
タッピングとブロワー機能を使ってコーティングしたチョコレートを薄く仕上げ、コーティングしたチョコが固まる前に手作業でトッピングや模様をつけていきます。
新作「マカロン・フランボワーズ」の製造工程も拝見。
4月・5月発売!期間限定のクリエーションが続々登場!!
ひとロサイズのショコラ「コフレ・ペピット」やマカロン、焼き菓子の新商品が販売されます。
幾何学模様がデザインされたひと口サイズのショコラ「コフレ・ペピット」は、個性溶れるフレーパーのガナッシュとプラリネの2層から成る人気のショコラ。
お祝い事などの多い4月には、赤いフルーツや華やかな香りのお茶を使用したショコラが、風薫る5月には、日本のウイスキーやジン、梅酒を使用したお酒とショコラの風味を堪能できる大人のショコラが、それぞれ3種類のフレーバーの詰め合わせで登場します。
「コフレ・ペピット 9個入り」 4,536円
フレーバー内容:フランボワーズ / フレーズ・デ・ボワ / テ・ブラン・アラン・デュカス
販売期間:4月14日(金)より期間限定販売 ※なくなり次第終了
販売先:全店舗、オンラインブティックで販売予定
華やかな香りの3種のコフレ・ペピット。
フランボワーズやフレーズ・デ・ボワ(ワイルド・ストロベリー)の果実の豊かな味わいと、ル・サロンでも人気の「クスミティー」テ・ブラン・アラン・デュカス(白茶ベースの華やかな香りのお茶) 風味のガナッシュを、アーモンドのプラリネと2層にしてアソート。
母の日の贈り物や自分へのご褒美にもぴったりです。
「コフレ・ペピット 9個入り」 4,536円
フレーバー内容:ウイスキー / ジン / ウメシュ
販売期間:5月26日(金)より期間限定販売 ※なくなり次第終了
販売先:全店舗、オンラインブティックで販売予定
日本製シングルモルトウイスキーや爽やかな香りの日本製クラフトジン、芳醇な梅酒のガナッシュを、それぞれカカオニブとヘーゼルナッツのプラリネと2層にしてアソート。
ほのかにアルコールが効いたキリッとした味わいの3種のコフレ・ペピットは、お酒のお供としても、父の日のプレゼントにもお勧めです。
「マカロン・ショコラ」3個入り 2,268円 / 6個入り4,320円
販売期間:5月26日(金)~9月初旬までの限定販売予定 ※なくなり次第終了
販売先:全店舗、オンラインブティックで販売予定
大きなマカロン・ショコラが新しく3種のフレーパーにリニューアルします!
カカオ75%ショコラ・ノワールのガナッシュに、ユズのピュレ、フランボワーズのピュレ、キャラメルをそれぞれサンド。(ショコラ工房見学ではフランボワーズを製作中でした。)
濃厚なショコラと爽やかなフルーツの風味の組合せ、芳ばしいキャラメルの組合せ。要チェックですよ!!
「ガトー・ド・ヴォワヤージュ コレクション エテ」6個入り(6種) 2,700円 / 10個入り(6種) 4,050円 / 18個入り(6種) 6,750円
販売期間:5月26日(金)~9月初旬までの限定販売予定 ※なくなり次第終了
販売先:全店舗、オンラインブティックで販売予定
厳選された素材の香りとショコラの風味を堪能できる6種類の焼き菓子詰合せ。夏の贈り物、帰省のお土産にも最適です。ショコラの豊かな風味と共に、サクッとした食感やしっとりとしたくちどけをお楽しみ下さい。
ショコラ生地が層になった「サブレ・ショコラ・ノワゼット」
ショコラの風味豊かな「フィナンシェ・ショコラ・アマンド」
香り豊かな白茶とショコラの「ケーク・テ・ブラン・ショコラ」
ゲランドの塩がアクセントの「サブレ・ディアマン・ショコラ!
芳ばしく焼き上げた「サブレ・ショコラ・ココ」
ミューズリーのサブレ「ミューズリー・ショコラ・オランジュ」
ル・サロン限定 イートインならではの感動的デザートに注目!!
「クープ・グラッセ・プラリネ・カフェ」 (4月13日掲載時、価格未定)
提供店舗・提供期間: 東京工房 5月30日(火)より販売 / 渋谷スクランブルスクエア 5月31日(水)より販売
工房で作ったプラリネ カフェ、ショコラカフェのアイス、グラニテ カフェ、薄いショコラのディスクをのせたショコラスイーツ。
温かいショコラソースをかけてチョコが溶けていく儚い瞬間は目が離せません。温度や食感の違いを、ぜひ体感してみてください。
六本木5周年を記念!!六本木 ル・サロン限定デザート
フランス・パリ発のショコラトリー 「ル・ショコラ・アラン・デュカス 六本木」は、2023年4月に記念すべき5周年を迎えます。
この機会に登場するのは、アラン・デュカスが手がけるパリのレストランで出逢ったフレンチトーストを彷彿とさせる”パン・ペルデュ・ショコラ・プラリネ”。
深く記憶に刻まれた官能的な味わいを再現するだけでなく、ル・ショコラ・アラン・デュカスならではの独創的なセンスが光るフレンチトーストをご堪能ください。
「パン・ペルデュ・ショコラ・プラリネ」 1,760円
〜ル・ショコラ・アラン・デュカス風フレンチトースト〜
提供期間:4月24日(月)より平日限定販売
提供店舗:六本木 ル・サロン限定
自家製ブリオッシュを、卵とミルクのアパレイユに浸し香ばしくキャラメリゼ。
その下には、グリュエ・ド・カカオのプラリネとクリームを潜ませました。上に飾られたグリュエ・ド・カカオのカリッとした食感もアクセントになっています。
甘さ控えめで、ショコラの風味を存分に堪能いただけるデザートです。ル・ショコラ・アラン・デュカスならではの、記憶に残るフレンチトーストをお楽しみください。
最後に、今後の展開も聞いてみた!
フランスでは、「Le Chocolat Alain Ducasse Manufacture à Paris」があるバスティーユのロケット通り沿いに2021年6月、アラン・デュカスによるアイスクリーム専門工房「La Glace Alain Ducasse(ラ・グラス・アラン・デュカス)」を。2022年9月、ビスキュイの工房&ブティック 「Le Biscuit Alain Ducasse(ル・ビスキュイ・アラン・デュカス)」を展開しています。
「『世界で最高のものを皆様にお届けしたい。』その想いから、まだ皆様が味わったことがないようなビスキュイやアイスクリームを提供するため、味の開発に長い期間をかけ、こだわり抜きました。その同じ味を、日本でも工房を作ることで皆様にお届けすることができたらいいな。」と考えているそうです。
伝統が息づき、素材に向き合い、技を極める職人たちが生み出していくフランス発ショコラトリー「ル・ショコラ・アラン・デュカス」で、これからも様々な味覚体験をしてみてくださいね。
ル・ショコラ・アラン・デュカス 公式サイト:http://lechocolat-alainducasse.jp