[佐藤ひと美のスイーツレポート321]フランス菓子の真髄が咲き誇る!2025年のテーマは気高き『サントノレ』スターシェフ揃いのスイーツの祭典「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク2025」開幕!

夏の太陽が輝く7月、今年もあの甘美な祭典が帰ってきました。

それは、フランス伝統菓子の粋を集めた「ダイナーズクラブ フランス パティスリーウィーク 2025」。

2025年7月1日(火)から7月31日(木)までの1か月間、全国各地で盛大に開催されます。記念すべき5回目を迎える今年は、過去最多となる312店舗が参加し、日本のパティスリー業界が総力を挙げて贈る、まさにスイーツの祭典です!

このイベントは単なるスイーツイベントに留まらず、フランス菓子の文化を広く次世代へと繋いでいくことを目指しており、お菓子教室の開催や子ども食堂への支援活動など、食を通じた社会貢献にも取り組んでいます。

繊細な技が織りなす“王冠”、今年のテーマは「サントノレ」

今年のイベントを彩る主役は、フランス菓子の歴史に深く根ざした「Saint-honore(サントノレ)」

19世紀にパリのサントノーレ通りにあるパティスリー「シブースト」で誕生したとされる優美なフランス伝統菓子。

円形のパイ生地を土台に、クリームを絞り、キャラメルでコーティングしたミニシューを飾り付けたその姿は、まるで公爵の王冠のよう。フランスでは特別な日にいただくお菓子として親しまれてるそうです。

サクサクのパイ生地、ふんわりとしたシュー生地、舌触りなめらかなクリーム、そしてカリッとしたキャラメル。一口で4つの異なる食感が奏でるハーモニーは、「サントノレ」の真骨頂。

伝統を守りつつも、パティシエたちの研ぎ澄まされた感性が光るアレンジが加わり、一つとして同じものがない、唯一無二の逸品たちが誕生します。それぞれのシェフが「サントノレ」というキャンバスに、自身の哲学と感性を表現した“作品”とも言えるでしょう。

「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク 2025」

詳しくは公式サイトを参照: https://francepatisserieweek.com/

開催期間 :2025年7月1日(火)~7月31日(木) ※店により期間が少し異なる

概要   :全国の参加店が期間中に共通テーマのスイーツを一般客向けに提供・販売する。

      ※ダイナースクラブ会員限定だけでなく、どなたでも購入いただけます。

開催場所 :全国の312店(北海道11店・東北12店、関東168店、中部27店、近畿54店、中国12店、四国4店、九州21店、沖縄3店)

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主催   :ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク事務局

特別後援 :在日フランス大使館

特別協賛 :ダイナースクラブ(発行会社:三井住友トラストクラブ株式会社)

公式パートナー:ヴァローナ ジャポン株式会社、マルホン胡麻油(竹本油脂株式会社)、サンペレグリノ(日仏貿易株式会社)、ダマンフレール/DAMMANN FRERES、レ ヴェルジェ ボワロン(日仏商事株式会社)、ドゥマール(日仏商事株式会社)、ラ ローズ ノワール(日仏商事株式会社)、ガルバーニ(ラクタリス・ジャポン)、プレジデント(ラクタリス・ジャポン)、貝印株式会社、ネグリタ(ドーバー洋酒貿易株式会社)、住商モンブラン株式会社、antenna*、マイリトルボックス、アンスティチュ・フランセ 

  

日本のパティスリー界を牽引するスターシェフたちの熱き「サントノレ」

5月に開催されたプレス発表会では、この祭典を一層盛り上げるべく、イベントアドバイザーを務めるフランス菓子研究家・大森由紀子氏と共に、日本のパティスリー業界を牽引する5名のスターシェフが登壇しました。

彼らは、今年のテーマ菓子「サントノレ」にかける情熱を熱く語り、伝統的な構成を守りつつも、いかに独創的なアプローチで個性を表現するかに挑戦したかを明かしました。

その言葉からは、単なるお菓子の製造に留まらない、パティシエとしての深い探求心と、創造性への飽くなき情熱がひしひしと伝わってきました。

  • 東京・麹町「PATISSIER SHIMA」島田徹氏
  • 東京・都立大学「アディクト オ シュクル」石井英美氏
  • 東京・経堂「フレデリック・カッセル」上久保春華氏
  • 東京・調布「feuquiage」畠山和也氏
  • 東京・清澄白川「EN VEDETTE」森大祐氏

特に、メディア関係者向けの試食会では、それぞれのシェフが趣向を凝らした「サントノレ」が一堂に会し、会場はまさに珠玉の競演の場となりました。

  

東京・麹町「PATISSIER SHIMA」島田徹シェフ 

サントノーレショコラ・テッカンノン :プティガトー 756円(税込)

得意とするチョコレートに焦点を当て、チョコレートの奥深さを追求した逸品。

彼が「欠かせない」と語る、王道でありながらも自身が愛用するヴァローナ社のクーベルチュール「カライブ」と「ジバララクテ」という2種類のブレンドチョコレートを基調し、さらに「鉄観音」種のウーロン茶を組み合わせるという、斬新ながらも繊細なフレーバー構築に挑んでいます。

台湾と中国での講習会をきっかけに深く魅了されたという「ウーロン茶」との組み合わせ。

数ある烏龍茶の中から「鉄観音」を選び、チョコレートと繊細にブレンドすることで、決して強く主張することなく、しかし確かにチョコレートの風味をより一層引き立てる、見事な相性を生み出しています。異文化の出会いが、新たなフレーバーの扉を開いた、島田シェフならではの感性が光るサントノレです。

  

東京・都立大学「アディクト オ シュクル」石井英美シェフ 

「ココナッツ」「イチゴ」「ライム」という夏らしい素材を巧みに操り、軽やかで爽やかな「サントノレ」を演出。

Saint-Honoré Éveil d’Éte  :プティガトー 821円 (税込)

「ココナッツ」「イチゴ」「ライム」という夏らしい素材を巧みに操り、軽やかさと爽やかさを追求した石井シェフの「サントノレ」は、一口で心が躍るような華やかさ。

中心には加熱して砕いたイチゴのコンポート、アクセントとしてライムを思わせるレモンクリームが配され、それをまとめるのはアマンドノワゼットや、バーディネー・ココナッツリキュールで香り高めたシャンティーココ。さらに、土台のサブレにもココナッツを忍ばせることで、香りだけでなく食感にも工夫を凝らすという細やかな配慮が、味わいの奥行きを深めていました。

  

東京・経堂「フレデリック・カッセル」上久保春華シェフ  

フレデリック・カッセルのもうひとつのスペシャリテ、サントノーレ。フォンテーヌブロー本店では月替わりの味わいをリリースしているほど人気のあるケーキです。今回は、フランボワーズとゴマを合わせ、夏にふさわしく軽やかながらも風味豊かなサントノーレに。

サントノーレ フランボワーズ・セザム  :プティガトー 1080円 (税込)

「和」の要素を巧みに取り入れた、上久保シェフの独創的な「サントノーレ」。日本の伝統的なマルホン胡麻油のごまペーストとごま油、そして「フランボワーズ」という意外な素材の組み合わせで、驚くべきクリエイティビティを発揮。

特に、通常バターを入れるるクレーム・パティシエール・フランボワーズには大白胡麻油を使用することで、フランボワーズ本来の酸味と香りを際立たせつつ、ごまの芳醇な香りが重なるグラデーションを生み出していました。和と仏の融合が織りなす、まさに新境地です。

  

東京・調布「feuquiage」畠山和也シェフ 

サントノーレ アロマティック :プティガトー 880円(税込)

紅茶の魅力を最大限に引き出した、畠山シェフによる香りの芸術品。

DAMMANN lumière(ダマン・フレール)社の紅茶から、フレーバーティー 「No.443 オリエンタルノア」と「No.0 アールグレイ インゼン」を巧みに使い分けています。

当初イチゴピューレやチョコレートとの組み合わせも検討したものの、紅茶そのものの香りをストレートに伝えるため、「オリエンタルノア」をストレートに生かし、単体でクリームに仕立てたという選択。

この中国茶ベースの紅茶は、パッションフルーツ、ピーチ、ワイルドストロベリーのような非常に華やかな花の香りを放ち、これがトップのクリームとして、まず舌と鼻腔を魅了します。

一方、シューの中には、スタンダードながらも『パティシエールで炊いた時にエグみが非常に少なく、すっきりとした香り』が特徴だったという「アールグレイ」のクリームを配し、紅茶としての「ボディ」を表現。

さらに中央には、イチゴとパッションフルーツを合わせたゆるめのコンフィチュールが忍ばされており、2層の紅茶の香りとフルーツの酸味が織りなす、多重奏の味わいが楽しめる仕掛け。香りへの徹底したこだわりと、その表現の巧みさに、プロフェッショナルとしての技を感じました。

  

東京・清澄白川「EN VEDETTE」森大祐シェフ 

サントノーレ(マスカルポーネ・オ・テ) :プティガトー 756円 (税込)

なめらかな口どけと豊かなコクが特徴のマスカルポーネを主役に据え、その魅力を最大限に引き出した「サントノレ(マスカルポーネ・オ・テ)」。

厳選したコク深いマスカルポーネに日本の新鮮な生クリームを合わせることで、コクはそのままに驚くほど軽やかなクリームに仕上げたという森シェフ。

7月という温かい季節にふさわしい爽やかさを追求し、彼がこだわったのは、紅茶で風味をアンフュゼしたカスタードと、この軽やかなマスカルポーネクリームの組み合わせ。 

特に印象的だったのは、中に配された「レモンのジュレ」。森シェフは「レモンのすごいキツい酸味」を和らげるため、単なるレモン汁を使うのではなく、レモン汁に紅茶をアンフュゼし、それをジュレ仕立てにするという工夫を凝らしています。これにより、レモンの爽やかさはそのままに、角の取れた優しい酸味が全体のバランスを整え、紅茶と生クリームの香りを一層際立たせていました。

細部にわたる計算と、完璧なハーモニーを追求する森シェフの哲学が詰まった、まさに日本の感性とフランス菓子の技術が融合した“作品”です。

    

彼らが織りなす繊細な味わいは、まさに“舌の上で花咲くフランスのエスプリ”そのもの。

  

祭典を彩る登壇者からのメッセージと特別企画

今回の発表会では、ダイナースクラブ、在日フランス大使館、そしてイベントアドバイザーの大森由紀子氏をはじめ、今年の参加シェフ5名が登壇し、イベントへの想いや「サントノレ」に対するそれぞれの工夫について熱く語られました。

ダイナースクラブからの挨拶では、食を起源とする同社が2021年から本イベントのタイトルスポンサーを務めていること、そして食文化の応援や社会貢献に積極的に取り組む姿勢が改めて示されました。今年は世界で75周年、日本で65周年の記念すべき年であり、今後も食の分野での活動に一層力を入れていくとのことです。

ダイナースクラブとは…今年、世界で75周年、日本で65周年を迎えるダイナースクラブは、レストラン優待をはじめとしたグルメサービスや、旅、エンタメ、ゴルフなど幅広い分野で会員様をサポートするクレジットカードです。

また、フランス菓子・フランス料理研究家・大森由紀子氏は、フランス菓子アンバサダーとして、今年のテーマ「サントノレ」を含む過去5回分のテーマ菓子が持つ豊かな歴史的背景について詳細に解説。

フランス菓子が、フランス革命後に宮廷を追われた職人たちの手によって、いかにして街の文化として発展し、特に19世紀の自由な気風の中で発展を遂げたかという興味深い話は、参加者がより深く菓子を楽しめるための貴重な知識となりました。

また、サントノレがパンとお菓子の守護聖人であるサン・トノレにちなんで名付けられたことや、鉄道の発達といった当時の社会情勢が菓子文化の発展に寄与したことなども語られ、菓子の背景にある物語を知ることの重要性が強調されました。

  

さらに、今年は「お菓子の格言」の募集、X(旧Twitter)でのインスタグラムキャンペーンや、より簡単にお店を探せるウェブ検索システムの導入も発表され、イベントへの参加を促す工夫が凝らされています。

また、令和6年能登半島地震の被災地支援として、被災地の素材を使ったお菓子が提供される「北陸支援企画」や、新たに「子ども食堂への支援活動」にも取り組むことが明かされ、スイーツを通じて社会貢献を果たす本イベントの意義が再確認されました。

今回のプレス発表会でいただいた『サントノレ』の他にも、参加店の中で個人的に「コレは!!」と深掘りしたかった作品があったので先日取材訪問してきました。

私が注目する、ホテルで味わう至福の「サントノレ」体験:ハイアット セントリック 銀座 東京 3F NAMIKI667

数ある参加店の中でも、私が個人的に特に注目しているのが、銀座 並木通り沿いのモダンなブティックホテル「Hyatt Centric Ginza Tokyo(ハイアット セントリック 銀座 東京)」3FフロアのオールデイダイニングNAMIKI667で提供されるイートイン限定のデセール仕立ての「サントノレ」です。

サントノレ オーガニックチョコレート コーヒー バニラ :2,250円(税込)

この一皿は、夏の季節にぴったりの軽やかさと、大人の深みを両立させた逸品。

「ハイアット セントリック 銀座 東京」ペストリーシェフ 大澤 隆一氏が語るように、このサントノレはなめらかなオーガニックチョコレートのクリームを基盤にしています。

「ハイアット セントリック 銀座 東京」ペストリーシェフ 大澤 隆一氏

ゼラチンや牛乳などを加え、クリーム単体では表現できない複合的な仕立てにすることで、口当たりはあくまでなめらかでありながら、重たさを感じさせない軽やかな風味を実現。この軽やかさは、暑い季節でも心地よく楽しめるデセールとしての重要な要素です。

特筆すべきは、通常の「サントノレ」に欠かせないキャラメルの代わりに、シューの上にはパールアガーで固められたコーヒーゼリーのシートを重ねるという、まさにデセールならではの斬新な発想。

これにより、光沢感のある上品なツヤが演出され、見た目にも美しい一皿へと昇華されています。

さらに、コーヒーゼリーは『ドットで絞り、寒天で固めたものをバイタミックスミキサーで回してピューレ状に』することで、口の中でとろけるような繊細な食感を実現しているとのこと。

そして、バニラアイスの優しい甘さが加わることで、全体のバランスが取れ、ラム酒を少量加えることで、味わいにキレと深みが増し、より洗練された大人の味わいに。

巧妙な仕掛けとして、砕いたキャラメルをシューの下に忍ばせることで、コーヒーとは異なる複雑な苦味のニュアンスが加えられ、味に奥行きが生まれています。この「コーヒーと異なる苦味のテクスチャー」のコントラストは、まさにプロのパティシエのなせる技。

『出来立てならではの食感を楽しんでほしい』というシェフの言葉通り、イートインで提供されるこのデセールは、クランブルなどの食感の妙も考慮された、オペレーションを突き詰めた構築であることが分かります。

飴がけを避けることで、夏でもベタつかず、スタイリッシュなツヤ感を保つという細やかな配慮も、さすがホテルクオリティ。

銀座という場所で味わうにふさわしい、洗練された「サントノレ」は、今年のイベントでぜひ体験したい逸品です。

スイーツでつながる喜び!「スイーツ名言&推し活」&「フォトキャンペーン」も開催

今年の「ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク」では、スイーツをさらに楽しむためのユニークな企画も満載です!

♢ X(旧Twitter)「スイーツ名言&推し活」企画 

参加シェフ考案のスイーツ名言が、X公式アカウント(@fp_week)で「サントノレ」の画像とともに投稿されます。心に響く名言をリポストして、お気に入りのパティシエやお店を「推し活」で応援しましょう!人気投票も実施され、上位の名言が発表されるとのこと。

♢ Instagram「映えるスイーツ フォトキャンペーン」 

美しい「サントノレ」の画像や動画をInstagramに投稿するフォトキャンペーンも同時開催されます(@france_patisserie_weekをフォローし、ハッシュタグ「#フランスパティスリーウィーク」を付けて投稿)。抽選で素敵なプレゼントが当たるチャンスも!

  

※「サントノレ」と「サントノーレ」の表記について

ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク 2025」でご紹介する「Saint-Honoré(サントノレ)」は、店舗によって「サントノーレ」と表記される場合がございます。どちらの表記も間違いではございませんので、各店舗の商品説明では、ブランドごとの表記に合わせて記載しております。この機会にぜひ、様々な個性あふれる「サントノレ」の世界をお楽しみください。

  

さあ、あなたもこの甘美な祭典へ

ダイナースクラブ フランス パティスリーウィーク 2025」は、日本のパティスリー業界のレベルの高さと、フランス菓子の伝統への敬意、そして革新的なクリエイティビティが融合した素晴らしいイベント。

参加店舗それぞれがテーマである「サントノーレ」に独自の解釈を加え、唯一無二の一品を提供することで、フランス菓子の奥深さと魅力を再発見できる機会となるでしょう。

また、食文化の継承や社会貢献といった多角的な視点も盛り込まれており、単なるイベント以上の価値を持つことが示唆されました。

ぜひこの機会に、その魅力に触れてみてはいかがでしょうか。