[高橋志穂の北国いわてのスイーツ便り11]辛党の甘党さんにすすめたい。岩手の酒蔵6社と作った酒ケーキ

砂田屋の「6酒蔵の酒ケーキ」

お酒が好きな人にも人気。砂田屋の「酒ケーキ」

砂田屋の不動の人気商品「酒ケーキ」

岩手県では有名な「酒ケーキ」。
東北人の肌のように白くてきめ細かいスポンジに、地酒を使用したシロップを染み込ませた芳醇な香りのケーキは、アルコール好きな辛党からも支持されています。
スイーツ好きな女性はもちろん、男性にもファンが多いので贈りものにも人気です。

この「酒ケーキ」を販売しているのは「みちのく創作菓子 砂田屋」。
現在、盛岡市に2店舗、花巻市石鳥谷に1店舗を構えていますが、創業した当時は石鳥谷の菓子店でした。
酒ケーキが誕生したのは35年以上前のこと。
石鳥谷は南部杜氏の里と呼ばれており、かつて町では「酒まつり」が毎年開催されていました。
この酒まつりに合わせて、南部杜氏の里・石鳥谷の名物になるようなお菓子を作ろうと「酒ケーキ」を作り始めたと言います。

砂田屋の専務・似内さんにお話を聞くと、
「私が小学生の頃、35年前には酒ケーキが作られていたと思います。初めは、ブランデーケーキをイメージしたケーキでしたが、もっと日本酒に合うケーキにしようと、改良を重ねて現在のケーキになりました。今では、おかげさまで『砂田屋と言ったら酒ケーキだよね』と言われるまでになりました」
と話します。

6酒蔵の味わいが楽しめる酒ケーキ発売

そんな酒ケーキの砂田屋が令和元年となる昨年、岩手県の6つの酒蔵の酒を使った6種の酒ケーキを発売しました。

実際に買って食べ比べ。ケーキでほろ酔いです

鷲の尾(八幡平市)、南部美人(二戸市)、菊の司(盛岡市)、月の輪(紫波町)、酔仙(陸前高田市)、浜千鳥(大船渡市)の岩手県内6社の酒蔵のお酒を使用した酒ケーキです。

6酒蔵の地酒を使用した「6酒蔵の酒ケーキ」

似内専務は
「石鳥谷にはかつてもっと酒蔵があったのですが、今は1軒になってしまいました。時代の波で変わってしまうのは仕方ないのかもしれないけど、石鳥谷で生まれた店として、また『酒ケーキ』を作ってきた店として、やるべきことがあると感じていました。南部杜氏の文化を今に伝えるきっかけになればと思っています。お菓子から岩手のお酒を知ってもらって、『飲んでみようかな』『買ってみようかな』と、お客さんと酒蔵をつなぐことができたら」
と話します。

岩手の地酒をスイーツで味わう

パッケージを開けた途端に立ち上がる香りがたまりません。
お酒のシロップがたっぷり染み込んだケーキは、ふんわり、しっとりしていて噛まなくても食べられるほど柔らかです。
アルコールがしっかり効いているので、食べると心がほぐれるような気がします。
香りや風味がそれぞれ違うので、利き酒するようにケーキを味わうのも乙ですね。

味のイメージを表したチャート。
盛岡店では、バラ売りも。イチオシの酒蔵を見つける楽しみも
6種の酒ケーキの詰め合わせもあります

「6酒蔵の酒ケーキ」詰め合わせは、インターネットでも購入できます。
アルコールをたっぷり使用しているので、小さいお子様や、妊婦さんはお控えください。また、車を運転する直前には召し上がらないように。とのことです。
常温でもOKですが、冷やして食べるのもおすすめです。
全て購入して食べ比べしてみましたが、サヴァランなどのお酒入ったスイーツが好きな方には、特におすすめです。

右から「酒ケーキ 雪っこ」、「酒ケーキ 酒果実」、「酒ケーキ 纜(ともづな)」

酔仙酒蔵の白いお酒「雪っこ」を使用したものや、月の輪の梅酒を使用した「酒果実」といった、酒ケーキもあります。
「酒果実」は、ほんのりピンク色の酒ケーキ。月の輪の女性杜氏をイメージして作ったそうです。

スイーツで岩手県内の産地めぐりも

岩手県内の生産者から直に仕入れた食材を使ったスイーツは、季節ごとのお楽しみ

また、砂田屋では、岩手県内の生産者から直に食材を仕入れ食材の魅力を最大限に引き出すお菓子づくりに取り組んでいます。
フルーツはもちろん、チーズやヨーグルト、野菜、ハーブ、お茶など多種多様。お店に行くと、岩手県内に魅力的な食材がたくさんあることに気づかせてくれます。
季節によって変わるプチガトーは、店を訪れる楽しみのひとつ。
「そろそろあのケーキが出る頃かしら」
常連のお客さんからは、そんな声も聞こえてきます。

「6酒蔵の酒ケーキ」の他にも岩手の食材の魅力を味わえるお菓子がたくさんありますので、お店のホームページをぜひチェックしてください。