[佐藤ひと美のスイーツレポート389]素通りするには、魅力的すぎる。「定番」に「こだわり」をひとさじ。忙しい日常を豊かに彩る、新・グランスタ東京の歩き方。

日本の玄関口として、1日に数十万人が行き交う巨大ターミナル・JR東京駅。

                                 ※東京駅画像はイメージです

これまでの駅ナカ空間といえば、どこか「次の目的地へ向かうための通過点」であり、「手土産を素早く調達するための機能的な場所」という側面が強かったのではないでしょうか。

しかし、2026年9月16日(水) 10:00、その常識を心地よく覆す注目のエリアが遂にヴェールを脱ぎました。グランスタ東京の旧「丸の内坂エリア」が、約8ヶ月の改修工事を経て『地下 丸の内改札内エリア』として華々しくリニューアルオープンを迎えたのです。

コンセプトに掲げられたのは「FAV ZAKA(Favorite MARUNOUCHIZAKA)」

約1,080㎡の空間には、これまでスイーツゾーンと生活雑貨ゾーンで二分されていた壁を完全に取り払い、食と雑貨のカテゴリーがシームレスに混ざり合う、新発想のマーケットエリアが誕生しました。全26ショップのうち、新ブランド10ショップ、東京駅限定ブランドが12ショップ。単なるリニューアルの枠を超えた、この熱量はいったいどこから来るのでしょうか。

スイーツと食のトレンドを追い続けてきたスイーツライターとしての視点から、なぜ今、私たちは「わざわざ途中下車をしてでも、新しくなったグランスタ東京に足を運ぶべきなのか」――その真価と、五感を満たす新しいエキナカの歩き方を紐解いていきます。

空間に宿る「歴史の奥行き」:伝統と革新が織りなす「KAMIYASH-IKI」

改札を抜け、新エリアへと一歩足を踏み入れた瞬間、誰もがそのエアリーで凛とした空間デザインに目を奪われる。

東京駅のデザインコンセプトである「Traditional + Innovation(伝統と革新)」のもと、今回のリニューアルでテーマとなったのは「域をデザインする」こと。かつて江戸の丸の内に存在した大名屋敷をデザインモチーフとし、その上質感と空間美を現代的に再解釈した“KAMIYASH-IKI(上屋敷)”が構築されています。

頭上を見上げれば、ダイナミックに伸びる光天井が空間に圧倒的な広がりをもたらし、各ショップの壁面上部に施された繊細な設えが、静かな時間の奥行きを表現しています。慌ただしく人が行き交う改札内でありながら、不思議と「呼吸を整えたくなるような静けさと気品」が漂っていました。

探求心を刺激する4つのゾーン:食と雑貨が織りなす「お気に入りの回遊」

今回のフロア構成で注目したのは、直感的に回遊したくなる4つのゾーニング。

FAV GATE:玄関口として、クイックなニーズにも確かなクオリティで応えるエリアの顔。

FAV STAGE:コンコース沿いに厨房を配置し、音や香りのシズル感で通行人の五感を惹きつける注目のステージ。

FAV STREET:食と雑貨が心地よくミックスされ、路地裏を宝探しするように探求心をくすぐるストリート。

FAV CENTER:話題の新ブランドや人気ショップが集結し、特別な出逢いを約束するエリアの中心。

「甘いものを買ったあとに、ふと手帳や雑貨に目が留まる」「暮らしの道具を眺めていたら、焼きたての香ばしい香りに包まれる」――そんな食とカルチャーのクロスオーバーこそが、私たちの日常に“ひとさじのトキメキ”をもたらしてくれるのではないでしょうか。

「いま、絶対訪れるべき注目の4ショップ」

1. 【FAV GATE】洗練された「新しい上質」をサッと手にする:『neu by sarkara』

(洋菓子/新ブランド)

丸の内地下中央口の改札を抜けてすぐ、エリアの顔となる「FAV GATE」に位置する注目の新ブランド『neu by sarkara(ノイ バイ サルカラ)』。

感度豊かなスイーツファンを魅了し続ける『sarkara』の美学を継承しつつ、より軽やかに、洗練された洋菓子を提案しています。

改札すぐという抜群のアクセスでありながら、そこに並ぶスイーツは素材の組み合わせや香りの組み立てが緻密に計算された本物志向。

出勤前のちょっとしたご褒美調達や、移動の合間のクイックな購入であっても妥協したくないスイーツ好きの心を一瞬で掴む、まさにエリアの玄関口「FAV GATE」を象徴する一店です。

2 【FAV STAGE】五感を揺さぶる出来たての香ばしさ:『たまご専門 本巣ヱ』

(実演付き和洋菓子/新ブランド・東京駅初)

「FAV STAGE」のコンコースを歩いていると、香ばしい甘い香りと共に思わず足が止まります。その視線の先にあるのが、実演付きのフレッシュな演出で訪れる人々を魅了する『たまご専門 本巣ヱ(モトスエ)』です。

店内の厨房で仕込みから焼き上げまでを行うライブ感あふれる空間では、こだわりの卵を贅沢に使用した和洋菓子が次々と仕上がっていきます。出来たてならではの、ふんわりとした食感と濃厚な卵のコク、そして空間を満たす芳醇な香りは、まさに五感をダイレクトに揺さぶる体験。

「ガラス越しに手際よく仕上げられる職人の技を眺め、出来たてをそのまま手にする」――日常の移動時間を一瞬で贅沢なスイーツ体験へと変えてくれる、このエリアの魅力を象徴するライブステージとなっています。

3. 【FAV STREET】ノスタルジックな世界観に魅せられる:『東京喫茶メリー』

(洋菓子/新ブランド・リブランディング・東京駅限定)

食と雑貨が心地よく混ざり合い、歩くだけで宝探しの探求心をくすぐられるストリート「FAV STREET」。その中で一際エモーショナルな光を放っているのが、メリーチョコレートの新ブランド『東京喫茶メリー』。

コンセプトは、「夢の中で出会ったような喫茶店に迷い込む体験」。レトロで愛らしい空間には、パチパチとはじけるキャンディ入りのソーダ風味チョコレートや、ほろ苦く甘いプリンを表現したミルフィーユなど、どこか懐かしくも新しいスイーツがずらりと並びます。

雑貨選びのようにパッケージのデザインや物語を愛でつつ、お気に入りの洋菓子を手に取る――まさに食と雑貨がシームレスに溶け込む「FAV STREET」の遊び心とマーケット感を象徴する、ワクワク感に満ちたスポットです。

4. 【FAV CENTER】「飲む」から「食べる」へ。新感覚のコーヒー体験:『A Bite Coffee』

(洋菓子/新ブランド・東京駅限定・商業施設初・東京駅初)

エリアの中心に位置し、欲しいものが必ず見つかる賑わいの拠点「FAV CENTER」。ここで注目の新体験を提案しているのが『A Bite Coffee(アバイトコーヒー)』。

コンセプトは「コーヒーを、飲むだけではなく、食べる」という新しい楽しみ方。コーヒー豆が持つ深みのある香り、心地よい苦味、そして濃密なコクを、サクサクのクッキーや芳醇な焼き菓子などのスイーツに見事に落とし込んでいます。

カップ一杯のコーヒーを味わうかのように、一くち(A Bite)で贅沢な香りに包まれるスイーツは、日常に小さな感動をもたらしてくれる完成度。新ブランドが集まる「FAV CENTER」の核として、東京駅の新しい名物となる確かな存在感を放っていました。

まだまだ巡りたい!足繁く通いたい注目スイーツ6選

4つのゾーンを巡るだけでも高揚感が収まりませんが、新エリアには職人技とこだわりが詰まったスイーツがまだまだ咲き誇っています。立ち寄りリストにぜひ加えてほしい、注目の6ショップをご紹介します。

・バター菓子専科 虎子堂(FAV GATE) 

丸の内地下中央口近くの「FAV GATE」に位置する注目の新ブランド。「虎子(とらのこ=かけがえのない大切なもの)」をコンセプトに、人気イラストレーター・坂崎千春氏が描く愛らしい「とらのこ」が目印です。

発酵バターの豊かなコクを活かした新食感のどら焼きやバタークッキーは、伝統と革新が融合したまさに和洋折衷の逸品。自分へのご褒美にはもちろん、大切な人へ想いを届ける「とっておきの手土産」として、新・東京土産の新たな定番になる存在です。

・ROND-POINT souvenir / ロンボワン スヴニール(FAV GATE) 

埼玉・南浦和の実力派パティスリー『ROND-POINT』が手掛ける東京駅初の洋菓子ショップ。素材のポテンシャルを極限まで引き出す職人の手仕事が光り、一口ごとに繊細な香りと余韻が広がります。大切な想い出(souvenir)として心に刻みたくなる、上質な焼き菓子のラインアップは必見です!

・Caffarel -Il Gianduia- / カファレル ーイル ジャンドゥーヤー(FAV GATE) 

イタリア・トリノ発の老舗チョコレートブランド「カファレル」が贈る、伝統のジャンドゥーヤに特化したリブランディング店舗。ヘーゼルナッツとカカオが織りなす濃厚で滑らかな口溶けはまさに贅沢の極み。東京駅限定のクラシックで気品あふれるパッケージも、スイーツファンの心を掴んで離しません。

・The Little BAKERY Tokyo / ザ リトル ベーカリー トーキョー(FAV GATE) 

東京・原宿で絶大な人気を誇るフレンチアメリカンベーカリー&パイショップが東京駅に初登場。

アメリカのクラシックなレシピに基づいた具だくさんなパイや、香ばしい焼き菓子がずらりと並びます。

美味しいパンや洋菓子はもちろん、ブランドの世界観を詰め込んだオリジナル雑貨もラインアップされています。

・Butter Milk Lab / バターミルクラボ(FAV STREET) 

素材の良さを届ける「ラ・テール」が手掛ける新ブランド。バターを作る過程で生まれる「バターミルク」の価値に光を当て、甘やかなコクとすっきりとした後味を併せ持つ極上のスイーツへと昇華させています。一口食べるごとに素材の新しい表情に出会える注目の洋菓子店です。

・ERIE T. / エリートーキョー(FAV STREET) 

こちらも「ラ・テール」から登場した注目の新洋菓子ブランド。洗練されたビジュアルと、口いっぱいに広がる香ばしい生地や濃厚なクリームのハーモニーは、移動の合間の疲れた心を優しく解きほぐしてくれます。

素通りするには、魅力的すぎる。「今日」を愛おしくする途中下車を

リニューアルオープンを果たしたグランスタ東京『地下 丸の内改札内エリア』を取材して感じたのは、単に新しい店舗を集めた商業施設ではないという強烈なメッセージ。

この場で感じたのは、忙しい日々を送る人々に対する「お疲れ様。ここで少し、自分のための時間を過ごしませんか?」という、どこまでも温かい眼差しでした。

改札すぐで出会う洗練された洋菓子。 

ライブ厨房で仕上げられる出来たてのたまごスイーツ。

昭和レトロな世界観と懐かしくも新しいチョコレート。

そして、コーヒーを「食べる」という新しい感動体験。

素通りするには、あまりにも魅力的すぎる空間。 今日からの通勤の途中、あるいは大切な人へ会いに行く旅の途中に。ぜひ、ほんの10分だけ足を止めて、途中下車をしてみてください。新しくなったグランスタ東京には、あなたの日常を今日から少しだけ豊かにしてくれる「特別なお気に入り」が、きっと待っています。