いわて果実の可能性を感じるフルコース
10月4日、日本橋のフレンチレストランLa Paix(ラペ)にて、ラペの松本一平シェフとMAISON GIVRÉE(メゾンジブレー)の江森宏之シェフによる、この日限りの「いわて果実 ボヌールコース」のお披露目会がありました。
生産者と料理人のコラボレーション
まだ梅雨明けまもない今年の7月24日、25日。岩手県を訪れた2人のシェフは、岩手県内を移動しながら、リンゴ、ブドウ、ブルーベリー、夏イチゴ、エディブルフラワーなどの生産者の元を訪問。その後も生産者と交流を続けてきました。果物は気候によって生育状態が変わります。生産者もまた、シェフの期待に応えられるよう、この日に合わせてベストの状態の果物を用意しました。お披露目会には、岩手から生産者も駆けつけ、料理をいただきながら、産地の話を聞くことができました。
いわて果実のポテンシャル
岩手県流通課主催の「いわて果実」の企画は、スイーツを切り口に展開してきましたが、フレンチ料理人・松本シェフと、パティシエ・江森シェフによる今回のセッションは、スイーツの枠を超え、いわて果実の新たな可能性を感じさせます。
フレンチをベースとする松本シェフの料理に、江森シェフがジェラートをコーディネートする、といった今回のコースについて、江森シェフは「料理とジェラートの組み合わせに違和感を覚えるかもしれません。でも、イタリアではガストロノミージェラートといって、料理とジェラートを合わせる動きがあります。今回は、実際に試すいいチャンス。ジェラートは溶けるとソースのような役割になります」と、お話ししていました。
江森シェフのデセールに感嘆の声
それぞれの料理は、シェフ2人のインスピレーションから生まれた、まさに珠玉のひと皿。料理が運ばれると会場内に感嘆の声が上がりました。 この日のコースは11品。後半になるとスムージー、アヴァンデセール、メインデセール、プティフールと、スイーツも充実していました。
この日アヴァンデセールに使われていた木苺は、サンファームの吉田聡さんが、朝摘み取ってから新幹線に飛び乗り、運んできたフレッシュなもの。その、芳香とともに、生産者の想いが伝わってきました。また、この日のメインデセールにあった、松原農園のナイアガラのジェラートは、江森シェフの店「メゾンジブレー」でも販売しています。
シェフが届ける産地のストーリー
松原農園の吉田貴浩さんは、ナイアガラのジェラートを初めて試食した時「ナイアガラよりナイアガラの味がする」と感動したといいます。江森シェフも生産者からそのような言葉を聞いて、とても嬉しかったそうです。江森シェフと松本シェフは「産地である岩手の人にこそ、食べて欲しい」とのこと。次の「いわて果実」コラボレーション企画は、岩手を会場に行われるかもしれません。来年度に期待が高まります。
今回のフルコースは、この日限りのセッションでしたが「ラペ」ではホロホロ鳥を使ったお料理などが、「メゾンジブレー」では、ナイアガラのジェラートをはじめ、いわて果実を使ったコンフィチュールなどが販売されています。
ぜひ、各店舗で北国いわての味覚をお楽しみください。
MAISON GIVRÉE(メゾンジブレー)
神奈川県大和市中央林間4-27-18
フレンチレストラン La Paix(ラペ)
東京都中央区日本橋室町1-9-4 B1
(主催)岩手県農林水産部流通課「いわて果物の王国形成事業」