それは#被災地農家応援レシピから始まった
2019年10月に日本に上陸した台風19号。
長野県のりんご農園が被災した様子は、メディアを通じて世界中にその現状が拡散されました。
当時、南フランスで開店準備中だった神谷隆幸シェフ(2019年12月La Table de KAMIYAをオープン)は、SNSのタイムラインで、泥につかったりんごの惨状を目の当たりにし、りんごをたくさん使用するタルトタタタンのレシピで、被災地を支援したいとツイッターに投稿しました。
この投稿を見た、料理人やパティシエがすぐに反応。
#被災地農家応援レシピが次々とタイムラインに投稿されました。
被災地を応援したいという想いとともにレシピが拡散されると、賛同する人々が被災地のりんごや野菜を購入。
産直プラットフォーム「食べチョク」や「ポケットマルシェ」では、長野県の「フルプロ農園」のりんご1000kgをはじめ、栃木県の「君島きのこ園」の原木しいたけ、「しんしん農園」の紅はるかなどが売り切れるほどの影響力がありました。
クラウドファンディングのリターンとして#CookForJapanコラボディナーが実現
一方長野県では、被害が大きかったアップルラインにりんご園を持つ、フルプロ農園が主体となり「長野アップルライン復興プロジェクト」のクラウドファンディングが立ち上がりました。
この活動に賛同したシェフ、パティシエは、#CookForJapanというチームをつくり、長野県のレストランで3日間のコラボディナーを開催することを決めました。15,000円の支援のリターンとして長野県の食材を使用した#CookForJapanのコラボディナーが実現! このファンドは約5時間で定員に達しました。
「長野アップルライン復興プロジェクト」は、1カ月間のクラウドファンディングで目標を達成。復興に向けて歩み始めています。
この度、一般社団法人化したのは、これからも継続して幅広い応援をしていきたいという理由から。代表の神谷シェフは、
「被災地の果物や野菜を食べるだけじゃなく、シェフやパティシエがさらに美味しく料理することで、僕たちも楽しいし消費者も楽しい。その結果、生産者や農業の支援になる。みんながハッピーになるような活動を今後もやっていきたい」
と、話します。
被災地支援は一時的なものではなく、継続していくことが重要です。今後の#CookForJapanの活動に期待が高まります。
そして、彼らの活動がメディアやSNSを通して拡散されていくことで、共感の輪が広がることを信じています。
コラボディナーにミニャルディーズを提供する4人のパティシエ
2020年2月7日〜9日。長野市内のレストランにて行われるコラボディナーでは、4人のパティシエによるミニャルディーズが提供されます。
そこで、今回ミニャルディーズを提供するパティシエに話を聞きました。
リビエール(兵庫県尼崎市)西剛紀シェフ
コラボディナーに提供するのは「ラングドシャ」です。
これまでも、店では長野産のりんごを使っていたので、台風で被災した生産者産のことを知り、何かできないかと思っていたので、被災地農家を応援するレシピを提供することに迷いはありませんでした。この活動を通してこれからも農家さんのことをSNSで伝えていけたらいいですね。
BAKE SHOP bien BAKE(石川県金沢市)坂下寛志シェフ
コラボディナーに提供するのは「テリーヌ・フロマージュ」。今回のために試作して作ったオリジナルです。
実際に長野のりんごを取り寄せて作りました。生産者さんとの出会いのきっかけは復興支援でしたが、想いを感じる美味しいりんご。これからも繋がっていきたいです。
Romi-uni Confiture(神奈川県鎌倉市)いがらしろみさん
コラボディナーにはトリュフを提供する予定です。
これまでも長野のりんご農家さんからりんごを買っていたのですが、その農家さんも台風19号で被災しました。被災して流通も滞ってしまい、行き場のない収穫後のりんごや洋梨を200kg以上、鎌倉から取りに行きました。他の農家さんも大きな被害に遭われているので、何か動かなければと思いました。
農家さんの助けになるなら、提供したレシピをどんどん使って!
パティスリー ポルトボヌール(埼玉県北浦和)渡邉泰史シェフ
コラボディナーのミニャルディーズには「ギモーヴショコラ」を提供します。
日本各地で災害が起きています。パティシエや料理人だからできることがあると思っているので、みんなとの繋がりを力にしてこれからも発信していけたらと思います。
今後の#CookForJapanの活動
2月7日〜9日の#CookForJapanコラボディナーに始まり、
2月14・15日は、ミラノで開催予定の長野県の食材展示会に、「カステリーナ」の関口シェフが作るフルプロ農園のりんごを使った調味料「モスタルダ」を出品する予定だそうです。
また、4月1日から「#被災地農家応援レシピ、レシピブックのためのクラウドファンディング」が始まります。
台風15号と19号で被害に遭った千葉県が立ち上げた「チバベジ クラウドファンディング」には、リターン品を開発しています。
「Hitotsu」の野田シェフは、ピクルスレシピの開発を。「旅するコンフィチュール」のパティシエ違さんは、トマトのジャムのレシピを開発中です。
#CookForJapan 15人のメンバー
- 神谷隆幸(南仏カーニュ / La Table de KAMIYA →ウェブサイト @Taka09KMY)
- いがらしろみ(神奈川県鎌倉市 / Romi-Unie Confiture →ウェブサイト @romiunie)
- 石川雄一郎(東京都港区 / 土佐しらす食堂二万匹 →Facebookページ @u1_i)
- 江六前一郎(編集者 @icro_erkme)
- 小野田裕也(愛知県豊田市 / 車街酒場 WAO! →ウェブサイト @yuyacake0301)
- 表原平(徳島県上勝町 / ペルトナーレ →ウェブサイト @tairantooo)
- 坂下寛志(石川県金沢市 / BAKE SHOP bien Bake →ウェブサイト @Sakashita_h)
- サガワショーコ(新潟県佐渡島 / レストラン&バーこさど →ウェブサイト @parfait0amour)
- スラス・ステファン(東京都立川市 /立川カフェ Stephan and Joe →Facebookページ →Instagram @steeeephaaaan)
- 関口幸秀(カステリーナグループ →ウェブサイト @yukihide_lion)
- 違克美(神奈川県横浜市 / 旅するコンフィチュール →ウェブサイト @TabisuruConf)
- 西剛紀(兵庫県尼崎市 / リビエール →ウェブサイト @nishitake0525)
- 野田一寿(神奈川県横浜市/ Hitotsu →ウェブサイト @NodaKazutoshi)
- 丸橋裕史(丸橋企画株式会社 / プロデューサー →Facebook)
- 渡邉泰史(埼玉県北浦和 / パティスリーポルトボヌール →Facebookページ @15portebonheur)
#CookForJapan
http://cookforjapan.org/