【インタビュー】『田中智のミニチュアスタイル』著者・田中智さんに聞く 「見たことのある光景を形に、”共感”を呼ぶミニチュアアート」

「nunu’s house」主宰。独学でミニチュア作りを学び、既製品は使わず全て素材から作ることにこだわって制作をされている、ミニチュア作家の田中智さん。このたび、ご自身の3作目となる作品集『田中智のミニチュアスタイル』を出版されました。作りたいものをみつけたら、色や形だけではなくその背景やストーリーなども調べ尽くし、納得がいくまで作り直すという田中さん。どこかで見たことのある光景を“再現”し、見る人の”共感”を大切に生み出された作品の数々には、「ベーグルカフェ」「ジャムセット」「フルーツ&フレッシュジュース」などのスイーツファン必見のコレクションも多く並びます。その圧倒的なリアルさと独自の世界観で話題の田中さんに、ミニチュアアートの魅力やスイーツについて伺いました。


Profile 田中智(たなかとも)

食べ物や雑貨、植物など身近にあるものを題材にミニチュアを制作。
こだわりを持ちながらも独創的になりすぎず、見る人の目線を大切にし、共感してもらえるものづくりを心がけている。
「nunu’s house」というブランド名で活動中。大阪市在住。
著書に『田中智のミニチュアワーク』『田中智のミニチュアコレクション』(学研プラス刊)

HP          http://www.geocities.jp/koapin1225/
twitter      https://twitter.com/miniature_MH 
Instagram    https://www.instagram.com/nunus_house


――田中さんがミニチュア作家になられたきっかけを教えてください。

田中「フリーマーケットでミニチュア家具が売られており、それを購入し、合わせた小物を自作してみようと思い立ったのがきっかけです。ネット等で調べると既に制作されている方もいたので、素材等を参考に作りはじめました」

――ミニチュアで様々な作品を作られる過程で楽しいこと、また苦労されている点など教えてください。

田中「ミニチュアは作品を見た人が共感できないとミニチュアではない所です。
創作物ではなく存在するものを小さくするところなので、共感を呼ぶ題材探しから始まります。調べる事で、”今何が求められているのか”が私の年齢に関係なく知る事ができるのはとても有難いです」

――田中さんのミニチュアの作品には、数々のスイーツやフルーツが登場しますが、田中さんご自身はスイーツがお好きなのでしょうか? また、スイーツ作りもお得意ですか?

田中「スイーツは見るのも食べるのも大好きです! 特にチョコレートは心も体も癒されます。ミニチュアでは良く作りますが実物は作れません」

――田中さんは他にも、雑貨やお弁当など、思わず微笑んでしまうような作品を作られています。作品のテーマや題材は、どのようにして探されているのでしょうか?

田中「題材は偏らないように散らしています。その上で主に女性目線でマニアックなところまでリサーチします。もちろん雑誌等やネット等で最新の情報も織り交ぜて、作る物を決めていきます」

――ミニチュアの世界の魅力や、今回の本のみどころを教えてください。

田中「以前にも『田中智のミニチュアワーク』、『田中智のミニチュアコレクション』という2冊の作品集を出版させて頂いているのですが、今回は既刊2冊とはまた違った可愛らしさをプラスした新刊となっております。リアルであり可愛い、それでいて普段良く見る光景を感じて頂ければと思います」

――これから挑戦してみたいこと、作ってみたい本などあれば、教えてください。

田中「私の作品は常に時代と共に成長してきました。まだまだ隠れた共感が沢山あると思いますのでそれを一つ一つ形に出来ればと思います。
次回作品集はもっとマニアックな内容にしたい思いがありますが、こちらは出版社側が許してくれなさそうです!」

――最後にスイーツファンに向けて、メッセージをお願いできればと思います。

田中「私にとってはパティシエの方々は時代を作り女性を楽しませる先生です。実物が無いとミニチュアアートは存在しません。心から敬意を持って、これからもスイーツのミニチュアを作らせて頂ければ有難いです」


『田中智のミニチュアスタイル』


著者:田中智

出版社:学研プラス

発売日:2017年8月23日