
真夏の太陽が街を焦がす季節、私たちがひときわ愛おしく感じるスイーツ――それがパフェ。
ひんやりとしたグラス越しに透ける色鮮やかな層、スプーンを差し込むたびに変化する食感と温度。一さじごとに新しい物語が紡がれるパフェは、まさに夏の暑さを一瞬で忘れさせてくれる甘美な救済と言えるでしょう。
2026年7月29日(水)から8月20日(木)までの期間、麻布台ヒルズ 森JPタワー34階「Hills House」内の「Sky Room Cafe & Bar」にて、パフェの可能性を極限まで押し広げた特別な祭典「Hills Parfait Collection 2026 @Hills House」が開催されます。

本イベントのコーディネーターを務めるのは、年間数百本のパフェを食すパフェ評論家・斧屋(おのや)氏。彼がセレクトした注目の9店舗・総勢12種類のアートパフェが一堂に集結します。

過去に当サイトで私が提唱した『パフェは、グラスという額縁の中に描かれるスイーツの美術展である』という言葉。
この美学は、季節が巡っても変わることはありません。
シェフという一人のアーティストが、素材の質感、色合い、香り、そして口溶けのグラデーションを緻密に計算し、一つの立体空間へ美しく落とし込む。私たちはグラスと対峙し、スプーンという鑑賞ツールを手にしながら、その作品の世界観を余すことなく味わい尽くす。
しかし、なぜこの「スイーツの美術展」が、夏という季節においてもっとも鮮やかに、そして劇的に輝くのか。
今回はその哲学を解き明かしながら、昼と夜で全く異なる美しさを魅せる「Hills Parfait Collection 2026 @Hills House」の圧倒的な全貌へ、皆様をご案内いたします。
1. なぜ、夏こそ「スイーツの美術展」は最高潮を迎えるのか?
スイーツの世界において、夏は実に繊細で過酷な季節です。重厚な焼き菓子や濃厚な生クリームよりも、誰もが身体の奥底から「清涼感」「みずみずしさ」「心地よい酸味」を強く欲します。
その切実な欲求に、完璧な解答を提示してくれる存在こそがパフェなのです。
【夏パフェが誇る3つのアート・エッセンス】
・造形美(Structure):視覚で涼を呼ぶ、緻密にデザインされた色彩と立体構造
・温度変化(Texture & Temp):口に入れた瞬間にスッと体温を下げて消える氷菓の魔法
・時間のドラマ(Time-Based Art):溶け出し混ざり合う、一秒ごとに移ろう不可逆の味わい
① 視覚と温度が奏でる「緻密な清涼感」
パフェという美術展において、夏の主役は「氷菓(ソルベ・ジェラート)」と「みずみずしい果実」、そしてそれらを支える「ハーブやジュレ」の饗宴です。
グラス越しに透ける鮮やかな色彩は、見るだけで涼を呼び込みます。しかし真の職人技は、「温度と溶け方のコントロール」にこそ隠されています。口に含んだ瞬間にスッと体温を下げてくれるソルベの冷たさ、後味を軽やかに切り替える柑橘やハーブの芳香。これらはすべて、シェフが緻密に描き上げた「冷たいアート」の計算があってこそ成り立ちます。
② 味覚が移ろいゆく「時間芸術」への没入
パフェ評論家・斧屋氏が「パフェは時間芸術である」と語る通り、絵画や彫刻と異なり、パフェという美術展は「時間の経過とともに変化し、消えていく」からこそ美しく、愛おしいのです。
最初はトップに飾られた繊細なチュイルの食感や、フレッシュな果実の弾力を楽しむ。食べ進めるにつれてソルベが少しずつ溶け出し、下層のジュレやクリーミーなムースと混ざり合う。この「二度と同じ状態には戻らない、美しい変化のドラマ」に身を委ねる時間は、まさに夏だからこそ際立つ最高のエンターテインメントと言えます。
③ 天空のギャラリーで対峙する「至高の鑑賞環境」
今回の会場は地上約150m、麻布台ヒルズ34階に位置する「Sky Room Cafe & Bar」。
東京タワーを眼前に望む圧倒的な天空の絶景と、快適にコントロールされたホスピタリティ空間。冷え切った快適な「ギャラリー(会場)」でゆったりと着座し、眼下の景色とグラスの中のアートだけに没入する。これこそが、大人が心から求めていた真のパフェ体験なのです。
2. 【昼の部】「色」を纏う7つのアート。グラスの中に広がる独創的な世界観

昼の部(11:00~16:00)では、「色」をテーマにした7種のアートパフェが登場。旬の果実はもちろん、とうもろこしや枝豆、スパイスなど、自由な発想で描かれた「食べる芸術」が揃います。
【オレンジ】完熟宮崎マンゴーの夏パフェ

シェフ: 岸 ひかる氏(Dining 33)
価格: 4,200円(税込)※昼夜通して提供

太陽の恵みを極限まで浴びた宮崎県産完熟マンゴー。あえて軽めに火を入れてフレッシュ感を残したコンポートに、ライムとハチミツのジュレ、パッションフルーツの鋭い酸味が重なります。特筆すべきは、仕上げに添えられた「アニスの新芽」と生姜のアクセント。甘味・酸味・香りの三位一体が計算し尽くされた、王道にして極上の「オレンジのアート」です。
【白】ジャスミン香る龍眼パフェ

シェフ: 清水 多計雄氏(Takeo)
価格: 2,200円(税込)
可憐な白い花をモチーフに、ジャスミンの優美な芳香を軸に据えた一作。エキゾチックな甘味を持つ「龍眼(リュウガン)」や、香ばしいペカンナッツという意外性のある素材を巧みにフュージョン。フランス菓子の確かな技術に基づき、素材一つひとつの「存在意義」を突き詰めた、静謐(せいひつ)で記憶に残るホワイトパフェ。
【緑】枝豆と抹茶のパフェ

シェフ: 相原 沙季子氏(Typica)
価格: 2,000円(税込)
今大会屈指の「攻め」のアート。枝豆の青い香りと抹茶の心地よいほろ苦さに、清々しい大葉、そしてなんと「焼き茄子」の香ばしい余韻を重ねています。単なる甘味の枠を飛び越え、料理的な奥行きと温度・食感の変化で魅せる、和の食材が織りなすディープなグリーンの世界観に圧倒されます。
【黄】とうもろこしとココナッツのパフェ

シェフ: 城野 聖奈氏(しましまの木)
価格: 2,300円(税込)
幼い頃の夏祭りで出会った「焼きとうもろこし」の郷愁を、現代アートへと昇華。蒸す、焼く、クッキーに仕立てるなど、グラスの中でとうもろこしを“七変化”させています。中盤でタイムの葉を散らし、濃厚なスープを注ぎ込む“追いとうもろこし”の演出は圧巻。甘じょっぱさと爽やかさが交差する新感覚作。
【ピンク】桃とライチのパフェ

シェフ: さわの めぐみ氏(Nami Zaimokuza)
価格: 2,500円(税込)

普段は料理人的なアプローチを得意とするさわのシェフが、「あえて可愛らしいピンク」という宿題に挑んだ意欲作。みずみずしい桃のコンポートにライチの透明感、ラベンダーのエレガントな香りが重なります。要所に配された「塩気」が甘みをキリッと引き締め、スプーンを休ませない緻密な構成美が見事です。
【青】青いピニャコラーダパフェ

シェフ: 妹尾 和矢氏(KazuBake)
価格: 2,000円(税込)
南国のカクテル「ブルーコラーダ」をグラスの中に描いた、息をのむほど美しいブルー。パイナップルの弾ける甘酸っぱさとココナッツの甘美なコクを、単なるフローズンドリンクではなく、スパイスやハーブを駆使したリッチなパフェ構造へ描き直しています。大人の五感を揺さぶる「攻め」の一杯。
【紫】葡萄・ラムとシーザーサラダのパフェ

シェフ: 松野 幸氏(Parfait tokidoki)
価格: 2,400円(税込)
産地直送の葡萄のポテンシャルを多角的に表現。じっくりローストしたセミドライレーズンのラムミルクアイスを核に、驚くべきは「葡萄のシーザーサラダ」やパセリ、サワードゥクルトンのアクセント。果実のジューシーさとスパイスの刺激が融合した、パワフルでアーティスティックなパープルです。
注文後に渡される「パフェカード」をじっくり読みながらパーツの構成を確かめるも良し、あえて見ずに五感だけで味わい「答え合わせ」をするも良し。一さじごとに「なぜこの素材が隣にあるのか?」とシェフの意図に思いを巡らせる時間こそ、パフェ活の醍醐味です。
3. 【夜の部】煌めく夜景と静かに響き合う「夜パフェ×特製カクテル」のペアリング

東京タワーがライトアップされ、街が煌めく夜の部(17:00~21:00)。ここでは、夜景にふさわしい洗練された「夜パフェ」と、互いの風味を引き立て合う「特製ペアリングカクテル」が、贅沢な大人時間を演出します。
【夜の部:ペアリング・コレクション】
① メロン×オリーブオイル × ハーバルグリーンブリーズ(Dining 33)
②完熟宮崎マンゴーの夏パフェ × オリエンタルパッションフィズ(Dining 33)
③ 桃×フロマージュブラン ヌガーグラッセ × ハニーブロッサム(PAYSAGE)
④ パイナップル×レンズ豆 酒粕とリオレ × わびさび抹茶(çayca)
⑤ 梨×柚子 × ポムシトロン(PAYSAGE)
⑥ 桃×マスカルポーネ × ピーチフラワーフィズ(PAYSAGE)
① メロンとオリーブオイルのパフェ × ハーバルグリーンブリーズ

ペアリングセット: 3,600円(税込) / Dining 33(岸 ひかる氏)
メロンの芳醇な甘みに柚子の爽やかさ、オリーブオイルアイスのなめらかな余韻。そこにジンの清涼感、玉露茶の旨味、きゅうりシロップとトニックの炭酸を合わせたカクテルが重なります。ハーブの香りとホエイの柔らかなコクがパフェの余韻と美しく共鳴する、洗練の極みです。
ペアリング: ジンをベースに玉露茶ときゅうりシロップ、ホエイを合わせた爽やかなハーバルカクテル。トニックの心地よい炭酸がメロンの清涼感と見事に調和します。
③ 桃とフロマージュブラン ピスタチオのヌガーグラッセパフェ × ハニーブロッサム

ペアリングセット: 3,800円(税込) / PAYSAGE(江藤 英樹氏)
フランスの伝統菓子ヌガーグラッセと桃を掛け合わせ、真紅のローズを添えたシックな一皿。合わせるカクテルは、人類最古の酒「ミード(蜂蜜酒)」にココナッツウォーターやレモン、クランベリーを添えたもの。穏やかなお花と果実の香りが、夜の静けさに華を添えます。
ペアリング: 蜂蜜酒「ミード」にココナッツウォーターやレモンの酸味を添えた一杯。穏やかな花の香りが、特別な夜を静かに彩ります。
④ パイナップルとレンズ豆 酒粕とリオレのパフェ × わびさび抹茶

ペアリングセット: 3,300円(税込) / çayca(栗原 薫氏)
黒糖で炊いたレンズ豆、酒粕アイス、フランスのお米のデザート「リオレ」に南国果実を添えた和仏融合の独創パフェ。ペアリングは純米大吟醸をベースに抹茶、黒蜜、とうもろこし茶の香ばしさを重ねた和のカクテル。計算し尽くされた「お茶と果実と酒」の奥深い響き合いを堪能できます。
ペアリング: 純米大吟醸をベースに抹茶や黒蜜、とうもろこし茶の香ばしさを重ねたカクテル。深みのある「和」のニュアンスがパフェと響き合います。
⑤ 梨 × ポムシトロン

ペアリングセット: 3,500円(税込) / PAYSAGE(江藤 英樹氏)
みずみずしい梨と柚子の清涼感あふれる上品なパフェには、梨と相性の良い芳醇な「グラッパ」ベースのカクテルを。リンゴや柚子の柔らかな果実味が、梨の繊細な旨味を優しく包み込みます。
⑥ 桃 × ピーチフラワーフィズ

ペアリングセット: 3,700円(税込) / PAYSAGE(江藤 英樹氏)
PAYSAGEが贈る至極のフルーツパフェ。
桃のコンポートやソルベに、マスカルポーネとエルダーフラワー、薔薇の香りを添えた優雅な一品。桃が香るジンとソーダのフィズカクテルが、グラスの中の華やかな香りを何倍にも膨らませます。
4. プロが教える「Hills Parfait Collection」を120%楽しむ鑑賞術
ただ食べるだけではもったいない。今回セレクトされた至高の「食べる美術展」を心ゆくまで味わい尽くすための、ちょっと贅沢な楽しみ方をご提案します。
◆ パフェ評論家・斧屋氏直伝!鑑賞のプロのステップ
①対峙する前の静寂を楽しむ
パフェが運ばれてくるまでは、34階からの絶景を眺め、心を整えましょう。届いたら、まずはその造形美をじっくりと「鑑賞」します。
②「パフェカード」による答え合わせの美学
着座時に配布される構成カード。あえて最初は見ずに自分の五感だけで素材を当て、あとからカードを見てシェフの意図を「答え合わせ」する。これこそが大人のパフェの嗜み方です。
③「なぜ?」という思考の沼に浸る
「なぜこの素材の次にこの酸味が来るのか?」「なぜこの固さなのか?」。シェフが描いた構造のロジックに思いを馳せ始めたとき、あなたはもうパフェというアートの深遠な虜(とりこ)です。
④昼と夜、それぞれの「作品」を食べ比べる
遠方の名店や、普段はパフェを出さない店舗が一堂に会する奇跡の機会。お腹に余裕があればぜひ種類の異なるパフェをアソートで楽しみ、作り手ごとの美学の違いを体験してください。
天空のギャラリーで、一瞬の美しさに酔いしれる夏を

素材の魅力を極限まで引き出し、器の中で一つの「景色」へと昇華させる――。今大会に揃った12のパフェには、シェフたちが一さじのドラマにかけた情熱と、幾重にも計算された味覚の美学が宿っています。
陽光に映える昼のアートな色彩も、夜景と共に更けていく大人たちのペアリングも、そこにあるのはただのデザートタイムではありません。刻一刻と変化する温度と香りに五感を研ぎ澄ませる、極上のクリエイティビティとの対話です。
普段は出逢うことの叶わない名店たちの競演を、麻布台ヒルズの天空という最良のテロワールで味わい尽くす贅沢。
一期一会の「時間芸術」が残す深く甘美な余韻は、きっとこの夏、あなたの記憶に鮮烈な一筆を描いてくれるはずです。
《Hills Parfait Collection 2026 @Hills House 》 開催概要
会期: 2026年7月29日(水)~8月20日(木)
時間:<昼の部> 11:00~16:00(L.O. 15:00)
<夜の部> 17:00~21:00(L.O. 20:00)
会場: Sky Room Cafe & Bar(麻布台ヒルズ 森JPタワー34階 Hills House内)
価格: 2,000円~(税込・別途サービス料¥500/人)