砂糖の奥深い世界を知るきっかけに! 農林水産省「消費者の部屋」特別展示レポート

ケーキやクッキー、和菓子など、スイーツに欠かせない砂糖。その奥深い魅力に触れられる特別展示 「甘くて美味しいエネルギー ~私たちの生活を支える砂糖の世界~」 が、2025年1月20日から24日まで農林水産省「消費者の部屋」で開催。砂糖の歴史や製造過程、多様な砂糖製品が並び、スイーツづくりに欠かせない素材の価値を再認識する機会になりました。その内容をレポートします!

砂糖の原料を間近で実感 

展示エリアでは、砂糖の原料である さとうきびとてん菜の実物展示が来場者の注目を集めました。 さとうきびは、天井に届くほどの高さがあり、その迫力に圧倒されます。一方、てん菜は青々とした葉と大きな根が特徴的でした。

普段、加工された砂糖しか目にすることがない多くの人にとって、こうした原料の姿を間近で見る機会は貴重です。どのような環境で育ち、どんな工程を経て砂糖が作られるのかを、改めて実感することができました。 

砂糖産業が支える国土と地域経済 

北海道の てん菜、南西諸島の さとうきび。これらは日本の食料自給率向上に貢献するだけでなく、砂糖産業に携わる人々の存在が、日本の排他的経済水域(EEZ)を守る役割を果たしている ことも展示では解説されていました。  特に南西諸島では、さとうきびの栽培が 地域経済や住民の暮らしを支える基盤となると同時に、日本の領土を実際に管理・維持していることを示す役割 も担っています。  砂糖産業は、単なる食品生産にとどまらず、日本の国土と経済を支える重要な役割を果たしていることを改めて認識する機会となりました。 

体験コーナーで感じた砂糖の楽しさ 

展示期間中には、「綿菓子作り体験」も行われました。ざらめで作るお祭りの屋台でおなじみの綿菓子ですが、自分で作るとなると意外と難しいもの。割り箸を回しながらふんわりと巻き付ける作業に苦戦しつつも、砂糖が形を変えて綿菓子になっていく過程を目の当たりにすることで、砂糖の持つ楽しい側面を再発見するきっかけとなりました。 

多彩な砂糖製品と新たな可能性 

展示では、グラニュー糖、黒糖、氷砂糖など、多種多様な砂糖製品がずらりと並び、その豊富な種類に驚かされました。各メーカーが製造する商品が一堂に会し、それぞれの個性やバリエーションを実際に見比べることができました。


展示品の中で特に注目されたのは、防災を意識した砂糖製品の存在です。災害時に素早くエネルギー補給できる食品としての役割が強調され、非常時の備蓄食品としての価値が改めて見直されました。砂糖には賞味期限がないため(※)、長期間保存できる点も防災食としての大きなメリット。備蓄食品としての活用が期待されるとともに、非常時の栄養補給源としての可能性が再認識される展示となりました。

災害の多い日本だからこそ、エネルギー源となる砂糖や保存性の高い砂糖製品を備蓄することは、非常時の栄養補給や体力維持に役立つ重要な対策のひとつ。 砂糖が単なる甘味料にとどまらず、いざという時の頼れる食品であることを改めて実感しました。

※一般的に、砂糖そのものには賞味期限が設定されていません。これは、砂糖が高度に精製され、品質が安定しているため、長期間保存しても変質しにくいためです。しかし、製品のパッケージや保存環境、風味の変化を考慮し、一部の砂糖製品には賞味期限が設定されている場合があります。 特に、防災用や備蓄向けの商品では、密封性や品質保持の観点から、一定の保存期間を明示しているケースも見られます。

「ありが糖運動」と砂糖の未来 

今回の展示は、農林水産省が推進する 「ありが糖運動」 も紹介。この運動は、砂糖の基礎知識やスイーツに関する情報を広め、砂糖の魅力を再認識してもらう取組です。「大切な人への「ありがとう」をスイーツで」のキャッチコピーのもと、スイーツを通じて感謝の気持ちを伝える活動の普及など、多角的なアプローチが行われています。また、2025年2月28日までありが糖運動公式マスコットキャラクターの投票と名前募集も実施されており、公式サイトから誰でも参加可能。砂糖の魅力をさらに広める一歩として、今後の展開が期待されます。

砂糖の魅力をもっと知ろう!

この特別展示では、砂糖が スイーツに欠かせない甘味料 であるだけでなく、食の安全保障、地域経済、災害時のエネルギー供給など、暮らしを支える多くの側面を持つことを改めて実感しました。普段、スイーツとして楽しんでいる砂糖が、実は 国土保全や防災、地域振興 にも関わる存在だと知ると、スイーツを味わう楽しさがさらに深まるのではないでしょうか?  これからも 砂糖の魅力をもっと知り、もっと楽しむ ことで、スイーツの世界がさらに広がっていくはずです。好きなスイーツを味わいながら、砂糖のことを少しだけ意識してみると、新しい発見があるかもしれません。