フランス、首都パリへ10月末から数日間開催された本場パリの「Salon du Chocolat(サロン・デュ・ショコラ)」をメインとした今年のフランス旅。
東京 羽田からパリ(シャルル・ド・ゴール国際空港)まで直行便を利用した場合、約12時間30分の飛行時間で訪れることができる世界中でも人気の観光国「フランス」。その魅力は、何と言っても独特でオシャレな街並みであったり、歴史的建造物が多く残されていたり、グルメやスイーツ、ファッション、アートで勉強になる国であることだと思います。
[佐藤ひと美のスイーツレポート 57]現地でみたショコラの“今”。世界最大のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」パリ 2019 第1弾( https://sweets-community.com/article/2875 )では、前夜祭の様子やどのようなイベントが開催されたのかを速報でご紹介させていただきました。
今回は、フランス・パリで私が必ずと行っていいほど訪れるエリア”6区・7区”のお勧めショコラトリー &パティスリーをご紹介していこうと思います。
【パリ6区】
パリ市を構成する20の行政区の一つで、市のほぼ中心。セーヌ川の南岸に面しているエリアです。この地区には、6世紀に建てられたパリ最古のロマネスク様式の「サンジェルマン・デ・プレ教会」や、ヘミングウェイなどの作家たちが好み通ったカフェがあったり、国立高等美術学校やフランス学士院、ルーブル宮殿を結ぶセーヌ川に架かるパリで1番美しい橋のひとつ「Pont des Arts(ポン・デ・ザール)」、その周辺にもオシャレなレストランやブティックが多く、観光以外にもお勧めのエリアです。
【パリ7区】
1889年のパリ万博のために造られたパリの象徴的存在「エッフェル塔」やシャン・ド マルス公園から、サン・ジェルマン・デ・プレにかけての人気エリア。簡単に言ってしまえば、フランスで有名な観光名所がたくさん集まっているエリアです。
私がこのエリアを訪れる理由は、お気に入りの店舗は密集しているから。基本的に数日間と短い期間でのフランス旅をする私にとって、できるだけ移動距離(交通手段も含め)を簡単に、でも沢山のブランドの美味しいものを食べたり買って帰りたいのです。
今回は、お気に入りのショコラトリー&パティスリーをご紹介していきます。是非、フランス スイーツ旅にご活用ください(笑)
【6区】 朝食は、世界を夢中にさせる優雅さと伝統へのオマージュを感じられる「Ladurée Bonaparte(ラデュレ・ボナパルト)」へ。
1862年、フランス パリでルイ=エルネスト・ラデュレ氏によって創業された「Ladurée(ラデュレ)」。
元々はブーランジェリーから始まったそうですが、その後火災によって「パティスリー」へと生まれ変わります。
当時社交の場となっていた「カフェ」「パティスリー」の要素を合わせることを思いつき、粋でエレガントな空間「サロン・ド・テ」の存在をフランスに浸透させていきます。パステルカラーの優しい色調と華やかさ、そして18世紀や19世紀のフランスの文化や様式にインスパイアされた芸術美で今も世界的に知られ、多くの方を虜にし愛され続けています。
今回お勧めするのは、6区にある「Ladurée(ラデュレ)」ボナパルト店 2階のサロン・ド・テ。営業時間は9時からです。
王道人気の 「Ladurée French toast maple syrup or jam and Chantilly cream(フレンチトースト)」を、私のフランス滞在中の朝食(どこか1日限定で)にしています。(ボナパルト店を選んでいるのは、シェンゼリゼ店やロワイヤル店に比べて混み具合が緩やかだからです。)
厚さ2、3センチでスライスされたブリオッシュ 2枚に、シャンティとメイプルシロップが付いたフレンチトースト。
シンプルなパンペルジュ = フレンチトーストは、良質なバターと卵たっぷり浸み込まして焼きあげており、甘ったるくなくて程よいコクで、朝から優雅な気持ちにしてくれます。
「Ladurée Bonaparte(ラデュレ・ボナパルト)」
21 Rue Bonqpqrte , 75006 Paris , France
【6区】 世界の中でも随一のショコラティエ・エ・キャラメリエ専門店「HENRI LE ROUX(アンリ・ルルー)」へ。
フランス ブルターニュ地方にて1977年創業、世界の中でも随一のショコラティエ・エ・キャラメリエ専門店「HENRI LE ROUX(アンリ・ルルー)」。
今年、9月17日(火)をもって「アンリ・ルルー 伊勢丹新宿店」が閉店され、2019年9月末日にはブランド運営を休止発表した「株式会社ヨックモック」。個人的に大好きなブランドだっただけあり、この撤退は本当に寂しく思いました。
なのでフランス パリで是非、立ち寄って欲しい!
「HENRI LE ROUX(アンリ・ルルー)」で私が必ず購入するのは、極薄円盤タブレット PDG 80% DE CACAO (100g)。
口溶けが最上級に美味しく頂ける薄さで仕上げているタブレット。薄さが異なるだけで、口の中で広がるカカオの香りや味わいが異なる体験ができるチョコレートです。
タブレットやボンボンショコラも豊富な種類を取り揃えています。日本でも「HENRI LE ROUX(アンリ・ルルー)」のファンは多いので、お土産にすると喜ばれること間違いなしですよ!
「Henri Le Roux Caramelier-Chocolatier(アンリ・ルルー)」
1 rue de Bourbon le Château, 75006 Paris , France
【6区】 ショコラの多彩な魅力を発信するコンセプトストア「Un Dimanche à Paris(アン・ディマンシュ・ア・パリ)」へ。
世界中のカカオ農園を巡ったオーナー ピエール・クルーゼル 氏がショコラ、そしてカカオの魅力を発信する店舗として、レストランを併設するブティックを展開しています。
ボンボンショコラや、タブレット、サブレ、パティスリーだけでなく、”カカオの魅力”=料理にも使える商品としてスパイスを包み込んだ粒チョコなど他のブティックでは出会えないようなラインナップで楽しませてくれます。
また、一つあたりの単価も購入しやすいミニサイズ・価格帯の商品が多いためお土産としても喜ばれると思います。
店の場所が石畳のある通りであったり、店名の”パリでの或る日曜日”も、フランス スイーツ旅の思い出に残るはずです。
「Un Dimanche à Paris(アン・ディマンシュ・ア・パリ)」
4,6,8 cour du Commerce Saint André 75006 Paris , France
【6区】 2018年10月オープンしたカジュアルスタイルのSALON DE THÉ「Café Pierre Hermé(カフェ ピエール・エルメ)」へ。
「PIERRE HERMÉ(ピエール・エルメ)」本店 Bonaparte(ボナパルト)から道路を挟んだ向かいにオープンした、カジュアルスタイルのSALON DE THÉ「Café Pierre Hermé (カフェ ピエール・エルメ)」。
カラフルでポップな感じの入りやすい店内では、マカロンやクロワッサン、ガトー、そして、NOUVELLE CRÉATIONのカフェ・ラテや抹茶ラテなど、「Pierre Hermé(ピエール・エルメ)」のカジュアルラインも堪能することができます。
ここでのお勧めは、”フランスらしい”可愛らしいマカロン缶ボックス「COFFRET 1001 MACARONS OU INCONTOURNABLE PIERRE HERMÉ」。
絵柄は3種類で、ポップなエルメ 氏とマカロンが描かれたもの、エッフェル塔、凱旋門からのシャンゼリゼ通りがありました。缶ボックスの中に、ショーケースから選んだ4個のマカロンが入ります。
缶ボックスは各 3$、マカロンもシグネチャーが各 2.5$、アンフィニマンが各 2.2$です。
日本換算でマカロンが約300円ちょっとなので、相場的にもそう変わらないのですが、食感などやはり違う点も多くあるので、フランスで食べることができてと良かった!と思ってもらえるはずです。
「Café Pierre Hermé (カフェ ピエール・エルメ)」
61 rue Bonaparte, 75006 Paris , France
【6区】 “味の彫刻家”など様々な異名を持つ 「Patrick Roger(パトリック・ロジェ)」へ。
フランスでも数少ないM.O.F.(Meilleur Ouvrier de France:フランス国家最優秀職人章)ショコラティエの称号を30歳の若さで取得され、“味の彫刻家”、“プラリネの魔術師”や“チョコレートの芸術家”などの様々な異名を持つ「Patrick Roger(パトリック・ロジェ)」。
2018年には「Relias Desserts(ルレ・デセール)」表彰でベストショコラティエとして授賞、フランスの最高勲章として知られる「レジオン・ドヌール勲章・シュヴァリエ受勲」をしています。
パリ市内に現在7店舗を展開している(その他 パリ郊外:サン=ジェルマン=アン=レー 、 ソー )私の大好きなショコラティエの1人。日本でも伊勢丹が展開してくれる「~パリ発、 チョコレートの祭典~サロン・デュ・ショコラ2020」などで購入することができる人気ショコラトリーです。
「Patrick Roger(パトリック・ロジェ)」のブティックは、それぞれの店舗ごとに異なった世界観の内装なので、時間がある方はいろいろな店舗に行ってみるのも新鮮な感覚になるかと思います。
6区のレンヌ店では、店内に入ると左手に箱詰めショコラや、袋詰めショコラ、タブレット、可愛らしいアート作品のようなマジパン製商品などが陳列。右手には、バラ売りのボンボンショコラとレジがあります。
私個人的に必ず購入するのは、2種類!
南仏・プロヴァンス地方に所有する「Patrick Roger(パトリック・ロジェ)」氏の身内が経営しているアーモンド菜園で日差しを燦々と浴びたアーモンドを使った「Amande Grillee(アーモンドチョコ)」と、フランス語で「岩」という意味を持つ「プラリネロシェ」。
包装は箱とパック式と2種類で展開しており、物によりどちらがコスパ良いかとかあるそうです。(スタッフさんに購入の際、どちらがお買い得なのか聞くと親切に教えてくれますよ!)
「Patrick Roger」RENNES (レンヌ)店
91 Rue de Rennes, 75006 Paris , France
【7区】丁寧なショコラに出会えると好評のショコラトリー「Jean=Charles Rochoux (ジャン=シャルル・ロシュー)」へ。
星付きレストラン「ギー・サヴォワ」のデセール パティシエ、名老舗ショコラティエの元で10年修行を経て2004年に自身のショコラトリー「Jean=Charles Rochoux (ジャン=シャルル・ロシュー)」をオープンさせたロシュー氏。そのデザイン性の高さから、パリジェンヌをはじめショコラファンに愛されています。
ロシュー氏ご自身が前日市場でセレクトした一番質の良いフルーツのみを使用するというこだわりを持ったフレッシュフルーツのタブレット(土曜限定)は、タイミングが合えば是非食べて欲しい!
オブジェのようなショコラもお土産用にお勧めですよ。
「Jean-Charles Rochoux(ジャンシャルルロシュー)」
16 rue d`Assas 75006 Paris , France
【7区】新鮮さと素材の品質を保つ事に妥協を許さない「Jacques Genin fondeur en chocolat (ラ・ショコラトリー・ドゥ・ジャック・ジュナン)」左岸へ。
老舗ショコラエティエ「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」ご出身の「Jacques Genin(ジャック・ジュナン)」シェフ。2008年に独立し自身の名を付けたブティックをフランス・北マレ地区にオープン。パリ2号店の、7区「Jacques Genin fondeur en chocolat (ラ・ショコラトリー・ドゥ・ジャック・ジュナン)」左岸店を今回はご紹介します。
入り口正面に、厳選されたカカオ豆で作られた約30種類のボンボンショコラ。右手にキャラメル、左にパート ド フリュイ、レジ奥には袋で販売するグラム売りのラインナップが。
日常を彩るジュエリーを選ぶような感覚で、どれにしようかな〜と悩む時間も愛おしくなってくるブランドです。
一つ一つの商品をいかに楽しんでもらおうと提供してくれる姿勢が別格ともいえるアルミメタル製のシックなオリジナルBOXも大注目!
ショコラの性質を考慮しチョコレートの大敵「湿気」や、移り香防止を考案されたBOXなんです。なので、日本に持ち帰るお土産にも適したブランドともいえるでしょう。
「Jacques Genin(ジャック・ジュナン)」のショコラは、シンプルな単種テイストが多く、ミントならミント、柚子ならユズ、バジルの特徴を引き立て、トンカ豆はそのスパイシーさを合わせて魅了する。フレーバーの材料はすべて生を使用し、スパイスはジャック・ジュナンシェフご自身が選別したものだけを使い、それぞれの食材の特徴を原産地と製法にこだわったカカオと合わせ洗練された口溶けのショコラを作り上げています。
パティスリー・クラシックに基準を置き伝統を重んじる本質的な美味しさを伝えてくれるどのひと粒ひと粒も複雑に構成されながら洗練された味わいを噛み締める事が出来るお気に入りのブランドです。
「Jacques Genin fondeur en chocolat (ラ・ショコラトリー・ドゥ・ジャック・ジュナン)」
27 Rue de Varenne, 75007 Paris , France
【7区】素材を最も重視しつつ、古典的なレシピを革新的なデザインに昇華させる「HUGO & VICTOR(ユーゴ アンド ヴィクトール)」へ。
アートや文学など、カルチャーからの発想による革新的なデザインに昇華させながらも、厳選素材を用いた季節感溢れるスイーツを生み出すシェフパティシエのユーグ・プジェ 氏が、2010年フランス パリで誕生させた「HUGO & VICTOR(ユーゴ アンド ヴィクトール)」。
ブティックに行ったら是非とも食べて欲しいのが、「LE FIGARO.fr」No.1に選ばれたフィナンシェです。
砂糖、卵白、バター、アーモンド、小麦粉、蜂蜜を使用して焼き上げられた「HUGO & VICTOR(ユーゴ アンド ヴィクトール)」のフィナンシェは、サクッ!カリッ!とした少しハードな表面の食感をまず歯で感じ、次にしっとりと柔らかい生地が舌の上に触れ、最後にジュワッと口の中に広がるバターの余韻とフワッと広がるアーモンドの香りに浸る、甘さ控えめな仕上がり。
バターリッチかつ蜂蜜がしっかりと効いた贅沢なフランス菓子にうっとりしてもらえるはずです!
ボンボンショコラは日本でも購入することができるため、独特のフィロソフィー溢れる世界観をぜひ感じてください。
「HUGO&VICTOR Boutique Rive Gauche(ユーゴ アンド ヴィクトール)」
40 Boulevard Raspail, 75007 Paris , France
今回ご紹介したブランド以外にも、このエリアには「CHAPON(シャポン)」や「MAISON BOISSIER (ボワシエ)」、「Des gateaux du pain」、「Servant(サルヴァント)」、「La Maison du Chocolat(ラ・メゾン・デュ・ショコラ)」など激アツな店舗が密集しているので、じっくりと準備をして”6区・7区”へ足を運んでみてください!
次回も、フランスの美味しいスイーツ情報をお届けします。
お楽しみに!!